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楽園の魔女たち 賢者からの手紙 / 樹川さとみ

「ばかをおっしゃい、どうしてあたくしがたかが豆ごとき……」
「あれえ、でも」マリアが首をかしげる。
「さっき笑ってたよね−?やっぱりうれしい?うれしい?」
(こ……このガキ……!とぼけた顔して目撃していたのね!?)
「えっ。ほんとに?」と心底おどろいたようにファリス。
「わっ、笑ってないわ、見まちがいよ!」
「……動揺している」びし、とおもむろにサラが指摘した。「あやしい」
「失礼ね、ちがうといったら……!」
「わーい、殿下が照れてるう」

組合からの強い要請を受けて弟子を取ることにした魔術師エイザード。彼のもとに集まったのは、プライドが高く語学に堪能な王の直系(第五子)ダナティア、頭脳明晰でクールなサラ、天然ほわほわな明るさと豊かな想像力を持つマリア、剣の腕はピカ一の苦労性ファリスという個性豊かな四人。それぞれの思惑を胸に、「楽園」で魔術師修行に励むことになったが……というお話。

これは楽しかった!いろんな人にオススメされた作品なので期待はしてましたが、それ以上に楽しめました。力はあれど怠惰で、よく問題を起こす師匠のもとに、問題児が集まったら、そりゃね。

四人のお弟子さんたちは、それぞれ個性豊かで、特にダナティアはお姫様ですから、何かとプライドの高い様を見せてくれるんだけど、なんだかんだ性根は優しいから、甘えんぼマリアとかは初めびくついてたけど、言うなれば姐さんみたいな感じだから、だんだん懐いてく様子ににやりとする。
特に、直系という立場から刺客が送られてきたときに、ファリスに助けられてから、仲間という意識が強くなってからのダナティアは、ツンとしながら振り払えないから可愛いくてしょうがない。

そんな四人を束ねたエイザードは、ろくすっぽ修行らしい修行をさせていなかったんですが、怠惰ではなく(それもあったと思うけど)大切に育てたいと言う思いからだったのに、組合の下らぬ嫌がらせから、弟子たちに試験を受けさせざるを得なくなって……脳天気な師匠が迷うほどの出来事だったのに、それを吹き飛ばす生徒たちの勢いが、本当に素敵だった。
騎士でありながら料理人として楽園にとどまるナハトールの気持ちが分かるなあ。この子たちのやり取りは、目を離せないよ。

普通なら年単位の修行をしてようやく受けられる試験に、たった二ヶ月で挑むことになったわけですが、ええ、この四人で不安を覚えるわけがない。ひとつひとつの難関を、それぞれの得意分野を活かしてクリアして行く様が、最高に楽しかったです。カ……の伏線とかニヤニヤが止まらない!

いやあ、楽しかった。こいつら、まだまだ魔術師としてはぜーんぜんなはずなのに最強すぎですよね。いろんな過去を匂わせながら、コミカルに展開していくんですが、大切な思いだけは、ちゃんと見せてくれるからいいです。「楽園」という言葉が、きっと彼女たちと、それだけではなくエイザードも、支えになってくるんだと、そう思います。
これからどんな物語を見せてくれるのか、楽しみでなりません。

楽園の魔女たち―賢者からの手紙 (コバルト文庫) - 樹川 さとみ

楽園の魔女たち―賢者からの手紙 (コバルト文庫)
樹川 さとみ

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Comment:2

suzuki 2010-02-01 (月) 22:54

はじめまして。deltazuluさんの感想を読んだのちこの1巻を購入してみて翌日残り全部買って心の底から堪能しました。
いやこのシリーズほんと面白かったです。紹介して頂いてどうもです!

deltazulu 2010-02-02 (火) 20:59

はじめまして。僕の感想で手にとって貰えたのなら、こんな嬉しいことはありません!
……って、もう読み終わったんですか!?
早いです!羨ましい……

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