キャッスルの部隊に配属された男は、優秀だと言われていた。たしかに腕はある。だがアル中だとは聞いてない。
さて、どうしようかと悩んでいたキャッスルは、あるとき、気づいてしまった。まさか、この男は……いや、そんなはずはない、「彼」がこんなところにいるはずない!
だが、現実は残酷で……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第二弾。今回は新たに配属されてきたアル中のスワンプ・ラットが、実はキャッスルの過去に関係する男だったというお話。
ラットがキャッスルを見ていることに、いち早く気づくあたりに、ラファエルの心情が見えますね。っていうか、見え見え過ぎる。指摘されて、真っ赤になって否定する姿に、激しいツンデレさを見ました。純情な男って可愛いなあと思うようになってしまった自分が怖い。
ともあれ、ラットの存在が、キャッスルの心情を掻き回してくれたおかげで、部隊にピリピリした空気が流れてましたが、いや、あの過去があったら、さすがに平常心じゃいられませんよねえ。
母を殺された事、仲間となるための努力が潰れた事、何より初恋の人との信頼を失ったことは、後に、彼女の原動力となったかもしれませんが、だからといって向き合うには辛いものであることはわかります。
らしくなく荒れ、時に八つ当たりし、開き直る姿は、情けなくもあり、哀しくもありました。
こういうとき、キャッスルを諌める事が出来るのは、やはりエイゼンなんだなあ。副隊長という立場以上のものを感じます。うーん、素敵。
ラファエルがキャッスルを思っているのは、もはや確定ですが、キャッスルはラファエル、エイゼンに対してどういう感情を抱いているのか、エイゼンはキャッスルをどう思っているのかが気になるところです。でも、なかなか内面を見せてくれないからなあ。
複雑な人間関係をかもし出している中、レジスタンスに奪取された241基地を、中隊一つで再度奪取するという、どう考えても無謀すぎる作戦が始まったときには、前線に立たないものは……という呆れにも似た怒りを覚えましたが、待ち構えていた悲劇に、いや、悲劇ではありますが、今まで逃げていた男が、最後まで立ち向かう姿を見せてくれたことに、グッとなるばかり。
いやあ、面白かった。手にしたドッグ・タグの重みは、ふたりだけでなく、他の人にも伝わったんじゃないかな。絆の深まりと成長が、きっと彼らを生き延びさせてくれる、幸せを導いてくれると、そう思いたいです。
キル・ゾーン―戦場のネメシス
須賀 しのぶ
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