クリスの胸の中で、暗いものが少しずつ、頭をもたげてくる。いつかのように。
わたしは、簡単に思うままにならない―。
仕立人クリスと公爵家の御曹司シャーロックの身分違いの恋を描いたお話の第二十弾。今回は、リンダと共にスコットランドへ向かったクリスを連れ戻すために、シャーロックが動き出すお話です。
クリスがだんだんと闇に近づいてる感じがあって、どうなるかとドキドキ。母を守るために、闇のドレスをつくらせないためにと画策するのはいいんだけど、母への罪悪感からもしかして……と思ったりすることもあったんです。闇のドレスを要求するヒューの執事ギルレイを油断させるための演技なのか、それとも……と迷った僕がいた。
一方のシャーロック、追いかける姿が健気でした。このシリーズは、なぜかシャーリーに乙女心を感じてしまいますよね。クリスの伝言ひとつで噛みしめちゃったりする姿が可愛いんだ。それでいて、ふたりっきりになると、格好つけるんだから、ふふふと思ってしまいます。いろいろあったけれど、本当の思いを伝え合うことができたのは良かった。
今回で闇のドレスの謎は明らかになりましたが、これでひとくぎりついた……よね?ヒュー関連の人はだいたい終わったように思うけれど、まだ女性陣は動けるのかしら。何とも言えませんが、シャーロックとクリスからしたら、これからが本番のようなものだから、その前に、ちょっとした蜜月があるといいなー。
ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと月の降る城 (コバルト文庫) (コバルト文庫 あ 16-31 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー)
青木 祐子
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