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恋のドレスと聖夜の迷宮 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー / 青木祐子

「ふたりとも元気だったか?」
アントにーは数秒迷ったすえ、思い切ったように言った。
「いいえ。『薔薇色』は、閉まっていました。ふたりとも、いませんでした」
シャーロックは思わず、アントニーに目をやった。
「ふたりとも、いない?」

仕立人クリスと公爵家の御曹司シャーロックの身分違いの恋を描いたお話の第十八弾。今回は、シャーロックとの間に溝を感じたクリスは、パメラと共に「薔薇色」から姿を消して……というお話。

ここで終わるか!期待と、それ以上に不安を覚える終わり方にドキドキです。どちらの結果がでてもいいから、早く!と思ってしまった僕がいた。

今回のお話では、シャーロックの思考がものすごく乙女でしたよね。クリスのことを考えない時がないといっても過言じゃないぐらい。時に袋小路になってしまうのは……これ以上ない恋だと思います。まったく、この姿を見せてあげればいいのに。 クリスたちが姿を消した時の焦りようといい、プレゼント選びの時といい、アントニーに恋のアドバイスを貰おうとすることといい、今回はいろいろなシャーリーが見られました。ニヤニヤだった。

さすがにこれだけ悩んでいると、闇のドレスのことがやや放置気味で、ご婦人に忍び寄っていく影に気づかなかったようですが、ま、そのあたりはいいとして、シャーロックよりもクリスですよ。

あまりに儚げな姿に、パメラが外へ引っ張り出していましたが、塞いだクリスの思いが見えなかったので、何とも重苦しく思いましたが、彼女はこんなにもシャーロックを愛していたのか……と分かるのか、よりによって、あの人の前だってことが辛かった。なぜあの場にシャーロックはいないんだ。

愛だけでは支えられない、そう突きつけられたクリスはどうするんだろう。再会の時、どんな思いが彼と彼女を動かしていくのか、楽しみでなりません。

恋のドレスと聖夜の迷宮 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫) - 青木 祐子

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