「恋っていうのは、とても勝手なものね、パメラ。簡単なことで傷ついてしまうし、いつのまにか人を傷つけてしまうんだわ」
「その分、強くなれるわよ」
「強くなりすぎるのも、怖いと思うわ。好きな人のためだって思ったら、どんなことでも平気になってしまうもの。いやなことでも」
仕立人クリスと公爵家の御曹司シャーロックの身分違いの恋を描いたお話の第十五弾。今回は、シャーロックへの思いが深くなりすぎたクリスが、ドレスを作れなくなって……というお話です。
ああ、恋する乙女だなあ。思いが伝わったら伝わったで、今度は手にしたものが離れてしまうかもしれないことが怖くなって、つい考え込んでしまうんですから。恋のドレスなんて作れないといいながら、もし自分が着たら……と思った経験は、今後のドレスづくりにも活かされるのかしら?
まあ、その前に恋をしてしまったが故にドレスが作れなくなるってのは、母親と同じ道を歩んでいるようで、チクっと胸が痛くなるけど。
シャーリーと会えないことでクリスが弱ってるところに、さりげなく入り込んできたのはジャレッドですが、傷つけることはなくとも、差し伸べた手の先が……というか、雇い主がわかったらわかったで、不安がよぎってきますね。普通に考えたら、ねぇ?
何を考えているのかわからないけど、ちょっぴり温かさを感じることもあって、うーん、大丈夫かなあ。
ともあれ、悩み揺れながらも、ドレスを作っていくことで、強さを取り戻していくあたりは、クリスらしいですね。
恋は恐ろしいと思いながら、それでも惹かれる心を抑えきれず、結果として身分違いを目の当たりにしたことで、傷ついてしまいましたが、初めてといってもいいわがままを伝えることができたのは、彼女にとっては良かったことだと思います。抑え込むだけが思いじゃないよね。鈍いシャーリーには、このぐらい言ってあげた方が、ちょうどいいと思います。しっかり支えてあげてほしいものだ。
さて、ふたりの様子はともかく、イヴリンとユベールの様子が気になりますね……何をやろうとしているんでしょうか。
恋のドレスと宵の明け星―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
青木 祐子
関連エントリー
[青木祐子]
[ヴィクトリアン・ローズ・テーラー感想一覧]
[コバルト文庫]
[ライトノベル]
Home > ライトノベル > [青木祐子] 恋のドレスと宵の明け星 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー
Trackback:1
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/3081
- Listed below are links to weblogs that reference
- [青木祐子] 恋のドレスと宵の明け星 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー from booklines.net
- 『恋のドレスと宵の明け星 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』... from 空夢ノート 2009-05-16 (土) 01:38
- 『恋のドレスと宵の明け星 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』青木祐子 (あき・挿画)集英社コバルト文庫/シャーロック、間に合ったねーー!!(大泣っ) あの...







