「きみの涙で思い出した」
急に頬が冷たくなった。気づかないうちに、涙が流れていたのだ。
「きみと俺が合わさって、はじめて探偵『シリウス』になった。俺だけではだめなんだ。ふたりで探偵『シリウス』なんだ」
普通の女子高生だったユウナを庇って亡くなった芥川巽は、凄腕と噂される探偵「シリウス」だった。彼の魂はなぜかそばにあったパソコンに宿り、ユウナに探偵のあとを継いてほしいと言い出して……二人三脚にして一心同体のコンビ探偵が事件に立ち向かうお話。
元々ユウナにあった観察眼の鋭さが、巽の推理を目の当たりにしていくことで成長していくあたりが、いい感じのコンビですね。巽のことを知っているのは、ユウナだけってこともあって、だんだんと意識してしまうユウナの乙女心もまたニヤリ。
ただ、事件を目の当たりにするということは、残酷な現実をも直視しなければならないと言うことで。殺人事件を通して、命について実感するところは、切なかったなあ。傍にいる、でも会えない。そのことを実感するところがとても印象に残ってます。
謎解きのキーとなったダイイングメッセージは、ちょっと強引だなと思いましたけど、二人三脚にして一心同体のコンビ探偵が、事件を解決していくお話として面白かったかな。
身代わり探偵スピカ―逢いたくても逢えない相棒 (コバルト文庫)
ココロ 直
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