祐巳は拍手をしながら、両目から涙をぽろぽろと落とした。
大泣きしないという目標だったけれど、いいのだ。これは別れを惜しんでの涙ではないのだから。
小笠原祥子さまは、やはり格好いい。
これが私のお姉さまだ、と誇りに思っての涙だった。
祥子と玲の卒業式が描かれる祥子・祐巳編の完結編です。
「了」の文字が出てきたことに一瞬驚き、納得した気がします。僕の中では、やっぱりマリみてといったら、祥子と祐巳の物語なんですよね。今回のお話の中でも、祐巳や祥子が絡むと、ちょっとしたシーンであっても、ちょっと鼻の奥がツンとしてしまったのは、卒業式ってムードにやられてたのかもしれない。一番初めにツンとしたのは、卒業生に花をつける係りを選ぶところかな。祐巳がクラスメイトから親しまれてることがとてもよくわかるやりとりに、思わずじわり。
大きな盛り上がりがあるわけじゃないんだけど、それぞれが昔を今を思いながら流れていく卒業式の日の模様がほんと素敵で。いつになくテンションたかい由乃や、久しぶりに登場した先代薔薇様たちの変わらない姿や(特に聖!)、田沼ちさとの思わず言ってしまった言葉の破壊力やら、微笑ましくて、うれしくて、でもちょっと寂しい。そんな気持ちになりました。
思い出話としては、祥子と令が「さん」付けをやめたきっかけが描かれてましたが、お互い相手が先に呼び始めたと思ってるところが面白いですね。黒幕は、やっぱりおまえか!な聖さまだったりするわけですが、ま、二人の壁がなくなるきっかけになったから、いいですよね。「さん」無してはじめて呼ぶときドキドキ感とか、すっごい好き。
祥子と令の話もいいけれど、やっぱり一番は祐巳との話だなあ。さっきも書いた卒業生に花をつけるって役割を果たしに祥子のクラスに出向いたときの周囲の視線は、みな同じような気持ちがあるんだろうなあ。紅薔薇姉妹ショーは、これ以上ないぐらい素敵でした。信頼感と尊敬の念が見える、ふたりの関係が最後まで見れて、とてもよかったです。
これにて一区切りつくそうですが、リリアン女学園の物語は、まだ続くようです。たしかに、由乃のドッキドキの決意をあんな風に描かれて、それで終わりとなったら、えー、って言っちゃいますよね。
どんな形で描かれるのかはわかりませんが、今回出番の少なかった一年生組や、個人的に大好きな蔦子さんのお話などが見れたら、うれしく思います。
マリア様がみてるハローグッバイ (コバルト文庫 こ 7-60)
今野 緒雪
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