「ききたくもないが、そのうさんくさい予言というのは、いったいなんです」
「ええと……これ、わたくしが言ったわけじゃありませんからね、そこを踏まえてきいてくださいね?」
なぜかシーカは横をむいてもじもじしちえる。
「わかりました。そんなとんでもない予言ですか」
「巨大な悪とむきあって世界を救うらしいですわ」
優秀だけど堅物な軍人ハルセイデスが、ノーテンキなシアシーカ姫を総長をして守りながら、個性的な部下と共に旅をするお話の第四弾。今回は、腰痛を抱える書記シンドーのために、温泉によろうとしたら、そこは邪教の村で、というお話。
笑った。笑いまくった。シアシーカの突拍子もない思いつきと、それをクールにかわすハルさんのやり取りは、最高だ!団員たちの視線から見る二人のやり取りは、好奇心よりも、好意の表れみたいなものを感じて、団としての繋がりも感じました。
で、ふたりっきりのとき、シアシーカの身にこれから何が降りかかるかってことについての予想が、彼女自身の口から明かされてましたが、うーん、きな臭いなあ。危険とわかっていながら、力を使った彼女を軽率と思うハルさんは、それだけシアシーカのことを大切に思ってるからなんですよね。もちろん、彼女の気持ちもわかってるから、ダメと言い切れないあたりが難しいですが、ますますの信頼で結ばれていく二人が素敵でした。
そんなこんなでいろいろあるけど、ひとまず温泉にと足を向けたら、よりによって邪教の村に入り込んでしまうんだから、この団はどこまでトラブルメーカーなんだと思ってしまいますが、団員たちがバラバラになりながらも、気づけば、解決への道へ続くネタを持ってくるから、面白いんだ。
カイと少女の間で、何かが生まれるんじゃないかと思ってた僕としては、ちょっと物足りないところもあったけれど(そこは期待するところじゃない?)、護るべきものを護るハルさんの戦いや、ラーと呼ばれる村の魔女を諭すシアシーカの言葉が、とてもよかった。
さて、今回の温泉物語で、休息はひとまず終わりって事になるのかしら。ミトラーダが何かしら仕掛けてきそうな感じがあるので、不安ではありますが、この団ならきっと乗り越えてくれると、信じてます。
シアシーカに秘密があったって、ハルさんはきっと!
ところで、ラストにちゃんと温泉シーンがあったのはうれしいんですが、えーと、なんでこんなに色気ないんだろ。いや、楽しかったからいいですけどね。
グランドマスター!のこされた神の郷 (コバルト文庫 き 5-37)
樹川 さとみ
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