身内以外からもらったバレンタインデーのチョコのお返しを何にしようかと、祐巳、由乃、志摩子の三人が話し合いをしていたら、なかなかアイデアが出てこないので、つい別の方向に話がそれていって……というところから、水野蓉子さま、鳥居江利子さま、佐藤聖さまなどの大学生活やら、志摩子さんの実家話などが語られる短編集です。
一つ一つの話は、20ページにも満たないくらい、ほんと短いんですが、思わず笑ってしまうのは、それぞれのキャラクタが生きているからなんだろうなあ。大学デビューを図った蓉子さまの話とか、思わずうなずいてしまうものがあるし(彼女はぜったい聖タイプにはなれません)、山辺さんの娘さんとライバルになる江利子さまの素敵すぎるところとか(トイレが鍵になるとは思わなかった)、「チャオ、ソレッラ!」のとき、やっぱり聖さまはイタリアにいたのねとか(聖らしいくだらなさに笑いがとまらん)、ワンエピソードぐらいのお話に、ニヤニヤしちゃいました。
一番好きなお話は「さん」付け問題ですね。卒業した薔薇さまたちや、お姉さまたちは、相手が同学年だと、聖とか、令とか、「さん」をつけないのに、祐巳たちは呼び捨てしてないよね、ってことで、試しに呼んでみようかとなるお話。
あー、もうこそばゆい!ただ「さん」をつけるだけなのに、読んでるだけで照れちゃうよ!
でも、たしかに想像できないなあ、志摩子さんが「祐巳」とか呼んでるの。たぶん、祐巳と由乃までだったら、呼び捨て可能だと思うけど、志摩子さんが入ると、とたんに難易度が上がる気がする。いや、なんとなくなんですけどね。
ともあれ短いお話だったけど、マリみてらしい雰囲気で、すっごい楽しかった。
ただまあ、どのお話も短くて物足りなくはありました。唯一長いお話は、レイニーブルー(だっけか?)で祐巳が失くした傘が、どういう旅路を経てきたのかということが描かれる「青い傘の思い出」だけど、これも短編を組み合わせた幹事のお話だしなあ。
いや、悪くないどころか良かったけど、個人的には、蔦子さんとかの話も読んでみたかったとか、そう思っただけです。はい。
さて、次は長編になるのかな。そろそろ、祐巳・祥子編も終わりが近づいてきているので、どんな感じに涙を流させてくれるのか(泣くの決定事項)、楽しみです。
マリア様がみてるマーガレットにリボン
今野 緒雪
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