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[響野夏菜] 今夜きみを奪いに参上! 忘れられた楽園

突如として、飛行艇の舵が聞かなくなり、密林へと墜落した。大惨事にはならなかったものの、どうやら精霊たちの力を押さえつけている輩がいるらしい。失われた言葉による「助けて」というメッセージを受けた旅団は、ひとまず周辺を調査することにした。エイラーンと、アナベラス、さらにはイリーシュが、調査隊として先陣を切ることになったが……

どんな強固な警備でも潜り抜けてくるという盗賊「空の旅団」は、実は喪われた民の末裔だった。というわけで、同じ民の末裔であったことを知ったお転婆王女イリーシュが、旅団の一員となって冒険するお話の第二弾。今回は、旅団の飛行艇が墜落した密林で、「助けて」という失われた言葉のメッセージが寄せられて……、というお話。

気になってるくせに、つい強くでてしまうイリーシュとエイラーンのお子様なやり取りは、読んでるとつい頬が緩んでしまう。周囲の大人たちが、ニヤニヤしながら眺める気持ちが良くわかる。

で、密林話。
飛行艇を落とすことができる力を持ってる時点で、同族の力は感じてましたが、その場所で行われた過去の出来事については、人の残酷さと、無念を感じました。でも、この悲しい出来事と遭遇したことは、イリーシュにとって、いいきっかけになりましたよね。
仲間になりながらも、何もできない自分に焦っていた彼女が、自分のできることをやろうと決意したあのシーンは、とても格好よかったです。普段、皮肉な態度ばかりを見せていたファリウスの礼に込められた思いに、じんわり。

いやあ、面白かった。悲しみを胸に抱きながらも、最後にはきっちりと、目的を果たし、そして同族との誓いを見せてくれる一行の姿が、とてもよかったです。

最後にさりげなく、エイラーンがイリーシュに思いを見せてくれたところには、ひょっとしてみんなの与太話に心揺らされてしまったのしらと、にやりとさせられましたけど、さてさて、この恋話はどうなっていくのかな。
旅の行く末ともども気になるばかり。

今夜きみを奪いに参上!-忘れられた楽園 - 響野 夏菜

今夜きみを奪いに参上!-忘れられた楽園
響野 夏菜

集英社(文庫)
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