学校をサボったビーが、よりによって不良署員ギャラントと「デート」だという。もちろん言葉の綾だとはわかっている。だが、二人の関係がどんなものなのか、よく知らないイズーは、ギャラントとビーの関係を調べるために、ダナーク唯一の酒場を訪れた。だがそこで、言ってはならぬ言葉を言ってしまい、しかもそれをアガードに聞かれてしまい……怒りを見せたアガードによって、イズーはなんと銀色のコウモリに姿を変えさせられてしまった!……
真面目なエリート捜査官イズーが、超平和な田舎村の警察署長となったら、その村の女は全員魔女だったというダナーク村での騒動を描いたコミカルな短編集。今回は四編が収録されています。
- 魔法と無関係な一日を過ごそうとイズーが決意したら、ビーの烏退治騒動に巻き込まれる「クライン署長の優雅ではない休日」
- ダナーク村の女性のほとんどが持つエラという名は何の意味があるんだろうとイズーが疑問視する「うるわしのエラ」
- アガードの禁忌に触れて、イズーがコウモリにされた「たのしい使い魔生活」
- 書庫から出てきた怪しい卵が孵化したら、なぜかイズーに懐いて……「ただしい幻獣の飼い方」
1編目は1巻の後、2、3編目は3巻の後、4編目は4巻の後のお話なんですが、イズーの心の移り変わりが見えて取れますね。一編目なんて、ビーとの間にそれほどの思いを感じなかったのに、二編目以降は、ビーの「えへっ?」や何気ない仕草に反応しちゃうんだから、ああ、楽しい。
感情を表に出さないことが板についていたイズーが、怒ったり、大人気なく拗ねたり、そしてビーに振り回される様は、見ていて飽きませんね。
どれもこれも楽しかったですが、その中でも好きなお話は、あらすじにも書いた「たのしい使い魔生活」かなあ。ビーとギャラントの関係が気になるのは、やっぱり恋だよねぇとか思ってたら、そこがアガードの逆鱗だったというのは、何とも運の無い事で。
しかも使い魔にさせられたことで、なんで俺が?と思うようなことでも、命令されたらふらふら仕事する姿に、いつもと違うイズーの様子を見れて、とても楽しい。
ビーの母フランと、家族のティーナの険悪さが食卓を包んだときの出来事に巻き込まれたり、コウモリに説教されと散々でしたが、最後には謎も解けたので、イズーとしてはホッとしたでしょうね。
それにしても、あそこまで重症だったとは……。恋って素敵な魔法だなとニヤリニヤリ。
一方、恋の相手ビーのほうも、結構変化があったんですね。基本的にはイズー視点で進むので、どこまで思っているのかはあまりわからないんですが(だからイズーはやきもきするんだけど)、四編目まで来ると「えへっ」どころか色仕掛けまでするんですから、たまりません。イズーの気持ちを知ってからかう姿が、とても魅力的。
ま、からかってるビー自身も、思わず赤面しちゃうことがあったりして、はいはい、お似合いカップルですねと、パタパタ仰ぎたくなるシーンがありました。ダナーク村に行って、二人のやり取りを眺めたいと思ったのは僕だけじゃないはず(と思いたい)。
あー、楽しかった。これはほんとオススメなんだけど、あとがきみたら、この巻で終わり……。あまりのショックにくずおれそうになりました。ほんと大好きなんですよ、この二人が繰り広げる物語は。
イズーの過去話とか気になるものがたくさんあっただけに、残念でなりませんが、もうひとつのシリーズ「今夜きみを奪いに参上!」も素敵な物語なので、そちらの続きを楽しみにしたいと思います。
ダナーク魔法村はしあわせ日和~ただしい幻獣の飼い方
響野 夏菜
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Comment:2
- ケイコ 2008-02-03 (日) 21:33
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deltazuluさん、はじめまして。私は27歳の女、書店員してます。ちなみに文庫担当なもんで、やっぱり自分の好きな本が売れてると嬉しいものなのですよ。うちの本屋ではあんまり『ダナーク』シリーズ人気無いんですよね。今回、残念ながら最終巻を迎えてしまい、悲しみの余り他にどんな方々が読んでるのかと思い、色んなHPを見まくりました。で、貴方のコメントが私と全く同じ考えなのが嬉しくて、こんな長いコメントを書いている次第です。お許しを。
貴方もイズーとビーのカップル好きですか、私も大好きです!ほのぼのした村でほのぼのと恋を実らせていく。いいですよねー!!でもこれで終わっちゃうなんて。もうちょっと進展して欲しかったな。それにまだ村の秘密が全部解き明かされていないし。最終巻なのにアガードの名前になぜ”エル””エラ”が無いのかなんて大きな疑問を残すし。作者ヒドイわ!
なんか本当に長々と書いてしまいました。最後まで読んでくれて有難うございます。これからも一杯本読んで紹介してください。 - deltazulu 2008-02-04 (月) 20:03
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はじめまして、ケイコさん。
僕も昔、書店でバイトしたことがありまして、自分の好きな作品が売れると嬉しかった記憶があります。ご担当されていると、もっと嬉しいんだろうなあと思いました。> うちの本屋ではあんまり『ダナーク』シリーズ人気無いんですよね。
あんなに素敵なお話なのに!
僕も、イズーとビーの仲が、もっと進展してくれると思ってただけに、今回で終わってしまうことは、ほんと残念に思ってますが、大人の事情ってものがあるんでしょうね。
寂しい限りですが、次のシリーズは、長く続いてくれると嬉しいです。






