依然続く軟禁状態から抜け出すために、カリエはネフィシカに従順な姿勢を見せながら、計画を練っていた。一方、崩壊の危機がせまるルトヴィアでは、皇帝ドーンと、ユリ・スカナから戻ってきた皇后グラーシカが、久しぶりに再会したが、ドーンの様子は依然と打って変わって……
かつての恐怖を振り切ったカリエの脱走計画と、ドーンの変貌とグラーシカの決意、さらにエドとセーディラが策略によって……というお話です。いやあ、面白すぎ。次が最終巻ってところまで話が来てるのに、まだまだ盛り上がりが止まらないんだからすごいよなあ。っていうか、本当にあと一冊で終わるのかしら。
脱走計画を立ててからのほうが、ユリ・スカナで安らぎを得ることができたというのは、何とも皮肉な感じですが、状況に流されず、ひとりでも必死に考え抜く姿を見ていると、ほんとタフだなあと思う。柔くみえても決して折れない、芯の強さが光りますね。壮絶な過去を振り返ったときに気づいた自身の心境の変化が、そのことを示していると思います。逆に言ったら、こだわり続けるバルアンは……どうだろ?
同じく過去に拘るというか囚われているという人がひとりいましたが、これが思った以上に歪んでたので驚きました。思いつきの行動なのか、そこまで計算してたのかわかりませんが、これは……やばすぎる。
おかげで、エドがいろいろ大変でしたが、ラクリゼ、ありがとう。姿ひとつ見せないのに、なんて存在感だ。
とまあ、いろいろありましたが、なんといっても素晴らしかったのは、帰ってきた皇后グラーシカです。悩み悩んで、自分の弱さに気づいて弱音を吐いていた彼女が、ドーンに告げられた言葉に、真っ向から対立する姿勢を見せたときのカッコよさと言ったら!愛する人の不器用な優しさを受け止めて見せたグラーシカに、ドーンがどうするのか気になるなんてもんじゃないですね。
お願いだ、ザカリア。ルトヴィアはともかく、このふたりは……と願わずにいられません。
ラクリゼ、カリエ、エドたちが集結する場所については、他の勢力もそのあたりで動いてなかったっけ?と思ったりして、不安材料満載ですね。次で完結するとは思えないほど、いろいろことが起きていますが、ここまできたら、何があっても驚かないというか、何があっても驚くというか。
文句なしで鉄板なシリーズだけに、きっとストーリィテリングな最終巻を持ってきてくれるでしょうね。楽しみに待ちたいと思います。
流血女神伝喪の女王 7
須賀 しのぶ
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