暴漢に襲われ、一命をとりとめたというが、未だに意識は戻っていないドーン。心配だが、いまルトヴィアに戻ったら、混乱が余計に大きくなると自制するグラーシカの思いとは逆に、ネフィシカはグラーシカをルトヴィアに送ろうとしていた。今こそ、ルトヴィアの女帝としてグラーシカが立つべきだと。
一方、軟禁状態が続いているカリエは、ザカリアについて調べ初めて……
ユリ・スカナのネフィシカたち、ルトヴィアではミュカ、エティカヤのバルアンなどなど、各地の人たちの思惑がいろいろ見れるお話でした。
混乱を引き起こしたのがバルアンというところに、彼の非情さを感じますが、それを利用しようとするネフィシカの思惑には、ゾクりとさせられるものがあります。まあ、女王としては、比較的真っ当な判断ではあるんですが、妹の心情を考えるのであれば、あの提案はきついですよね。それ以外でも、自らの息子について悲しんだかと思ったら、ザカリアを持ち出すあたり、狂気な怖さを感じます。
最近、グラーシカの弱さが目立っていましたが、そこのところを自覚するシーンが、個人的には印象に残ってます。タウラの言葉は、あまりにも直接的ですが、なるほど言われてみればそのとおりかもしれません。彼女にとって「陛下」がどれほど大きな存在であったかがわかりますね。
おそらくこれで、グラーシカは迷わないと思います。どんな結果になろうとも、誇り高き態度は貫くでしょう。それだけに不安でいっぱいだなあ。どうか、どうか、カリエの祈りが届きますように。
ルトヴィアでは、ミュカが奮闘してるんですが、それでもなお、退廃は覆せなさそうな雰囲気に心が痛みます。国を思って、民を思って動きながらも、実は兄の後を追っていたという心のうちは、何とも切ないものを感じました。
ドーンの偉大さを改めて思いましたが、そんなところまで、ザカリアの手が伸びてくるとは思いませんでした。タイアスの最後の城が……。
はたして、ドーンはどちらを選んだのか。激しく気になります。
暴漢は、むしろ、ロイを刺せばよかったのにとつくづく思う。
さりげなく親バカっぷりを発揮してるエドとセーディラは、未だにかの森にいるわけですが、ここでお久しぶりな人と出会えたときには、思わず興奮してしまいました。幸せを掴めそうで掴めない彼女ですが、今度こそは、その手に幸せを掴んでほしいと願いたくなります。きっと彼も……大丈夫だよね。だといいなあ。
それぞれが過去を思い、未来を思ったお話でしたが、これで動き始めるための準備が整ったという感じでしょうか。あと二巻で完結らしいですが、いったいどうなるのか、楽しみですね。
流血女神伝喪の女王 6 (6)
須賀 しのぶ
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