Home > ライトノベル > [青木祐子] 恋のドレスと硝子のドールハウス ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

[青木祐子] 恋のドレスと硝子のドールハウス ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

シャーロックからの手紙に、クリスの心が踊っていたとき、「薔薇色」を訪れてきたのは、少年だった。美しく、やや華奢なエドは、姉であるシャロンのドレスを作ってほしいという。恋の道具のために。
エドのわがままな態度に戸惑うクリスだが、まずはシャロンと会ってみようとお屋敷を訪れたが、そこでシャロンとエドに明かされた話は、さらに戸惑うことで……

シャーロックからの手紙ひとつで、高揚するクリスを見ていると、たまらなくニヤニヤしてしまいます。引っ込み思案のクリスが、自分から動くぐらいですから、身分の違いとか気にしているけれど、本気なんだなあ。
シャーロックもシャーロックで、身分のことやら将来のことやら気にして動けなくなってるところとか、クリストは似てないようで似たもの同士で、あー、もどかしい!ふたりがどんな感情を持っているかなんていうのは、表紙のイラストとか見たら、わかりますよね!!
っていうか、周囲の人で気づいていない人はいないでしょうね。九歳のフリルに心の内をあっさり見透かされるあたりが笑えます。

今回は美しき少女シャロンのドレスを作りにいくお話ですが、姉にそっくりな少年エドが何とも嫌らしい。自分の思うとおりにならないことが我慢ならない癇癪もちで、クリスとシャーロックの邪魔ばかりするあたりは、当事者でもないのに、この邪魔者め!と思ってしまいました。
せっかくクリスがいい感じに笑ってくれるようになっただけに、シャーロックの気持ちがわかるなあ。

籠に囲われていたシャロンが表の世界を楽しめるようになったあたりから、不穏な空気が流れてきたんですが、こんなところで闇のドレスが関わってくるとは思わなかった。それもかなり以前からだなんて。
数年前の事故が、実は誰かが引き起こしたものではないかという疑いが生まれてからは、誰の発言が本当で、誰の発言が嘘かという展開に惹きこまれました。ミステリアスな雰囲気は、たまらないものがあります。

どんな人でも闇を抱えている以上、闇のドレスは力を発揮するというところには、ゾクゾクさせられましたが、それにしても、最後のユベールの言葉は驚きました。仕立てる人の感情しだいで、恋にも闇にもなるのだというのであれば、たしかにその可能性はありますね。
このあたりは、はたして本当なのかどうなのか。あるいは、まだまだクリスが隠していることはあるみたいですが、そのあたりを知らないまま、あるいは知っていて、動き出すシャーロックとの間がどうなるのか、気になります。

恋のドレスと硝子のドールハウス (コバルト文庫 あ 16-14 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー) - 青木 祐子

恋のドレスと硝子のドールハウス (コバルト文庫 あ 16-14 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー)
青木 祐子

集英社(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[青木祐子] [ヴィクトリアン・ローズ・テーラー感想一覧] [コバルト文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [青木祐子] 恋のドレスと硝子のドールハウス ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1544
Listed below are links to weblogs that reference
[青木祐子] 恋のドレスと硝子のドールハウス ヴィクトリアン・ローズ・テーラー from booklines.net
『恋のドレスと硝子のドールハウス』の感想 from 空夢ノート 2007-05-27 (日) 20:06
『恋のドレスと硝子のドールハウス』青木祐子/あき/集英社コバルト文庫/読了後、握りこぶしを両の手に作り、「あぁぁぁん、じれったい!!」と一人悦にいってた私...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [青木祐子] 恋のドレスと硝子のドールハウス ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top