「今日は『ひみつの魔女集会』の日です」
何をするかは内緒。しかも集会が行われる今夜、魔女以外の人は外出は禁止だと、村長の孫娘であるビーから伝えられた。もし、男が外へ出たら……。考えたくもない事態が待ち受けているのは明白なので、大人しくしていたイズーだが、何とダナーク署の署員であるシーカーが魔女集会を覗いたということで、囚われてしまい……
村の女はすべて魔女。そんなダナーク村に、署長としてやってきた生真面目な警察官イズーが、魔女集会を覗いた罪で魔女たちに囚われてしまったシーカーを助けるために、奔走するお話です。
いやあ、これはサブタイトルの「ひみつの魔女集会」と帯の「今夜、絶対覗いてはいけない魔女集会!」という言葉がいいですよね。いったいどんな集会なんだろうと、思わず覗きたくなるシーカーの気持ちがわかります。覗きの理由のバカバカしさは、むしろシーカーらしいですが、軽率な部下を持ったイズーの苦労する姿には、涙をそそられますね。笑いすぎて。
怒りに対してのクッションのもうひとつの使い方が、なんともこの物語の雰囲気に合ってて、微笑が止まらないです。
魔法方面については、まるっきし無知なイズーですが、「爆薬」を使おうと思うあたり、危険を生きてきた人の発想ですよね。きっとヘルムが知恵を貸したのは、魔法の怖さをある程度知っていながら、それでも無鉄砲に見えるぐらい突っ込んでいくイズーが、好ましく思えたからなんだろうなあ。普段クールなのに、一度決めると、頑固ですよね。
おかげで、ビーの秘密というか、マリーク家の秘密になるのかな、そういうものがチラチラ見えてきましたが、なんだろうねぇ。ただ、その秘密のせいで、ビーがつらい思いをしているんだなということがわかるところは、心苦しいものがあります。
思わず、いつもと違った態度を見せてしまうイズーには、ふふふと思いますが、きっと、その心はビーに届いてますよね。イズーも意地を張らず、優しいところをもっと見せてあげればいいのに。
暗闇の魔女のところでも、いろいろ見えてくるものがありましたし、最後の娘発言では、おいおいとか思ったりしましたが、残念ながらこのあたりは次巻以降のようですね。
魔女長問題もまだまだ片付いてないみたいだし、イズーとビーの関係もちょっと面白いことになってきたし、これからどうなるのか楽しみです。
ダナーク魔法村はしあわせ日和~ひみつの魔女集会 (コバルト文庫 ひ 5-72)
響野 夏菜
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