リーがつけていた識別ピアスを解析すれば、家族を探すことが可能なはずだ。だが、それには、ステーションの最新設備を使うしかないが、ここを放れてリーをほうっておくわけには行かない。というわけで、家庭教師を雇おうとしたが、動物に育てられたリー、獰猛な犬、博士の傲慢さで、次々と辞めていく。
そんな中、新たにきたメアリーは、がんばった。恐ろしいと感じる思いを封じて仕事をしていたが、ついに我慢できない出来事に遭遇してしまい……
屋敷で幽霊が出たり、アレックスの母が出てきたり、オリビエがお見合いをしたり、博士とリーが遭難したりと、一章ずつ話が変わっていくので、短編集っぽい雰囲気ですね。クスクス笑わせてくれながらも、時に切ないものを感じさせてくれるお話は、どれもこれも面白かったです。
いつもながら、博士とリーの微妙な関係には、ニヤニヤですが、個人的に一番好きなお話は、オリビエのお見合い話でした。
結婚する気なんてまるでないキャサリンが、両親の策略でお見合いさせられて、オリビエとデートすることになってしまったので、だったら嫌いになってもらおうと、自分の本性を見せて、さあ、どうだ、というお話です。
オリビエの馬鹿っぷりは、時にうんざりするものがありますが、それ以上に、人の良さや優しさに惹かれますね。はじめは、身構えていたキャサリンが、楽しさを感じていくところが、とてもいいです。デートの終わりで、円周率の話を聞いたときには、とてもオリビエらしいバカさだと思いながらも、その熱意を向けたのは、彼女だからだというところに、心が温かくなりました。
「さよなら」ではない「またいつか」が、ほんと来てほしいな。
それにしても、今回は、博士がリーに対して、かなり意識をするようになってましたね。アレックスの母が、リーを女性っぽくしたときに博士が発した言葉は、相手に対しては失礼すぎるものがありましたが、それだけ衝撃的だったということで、勘弁してあげてください、リー。
リー本人は、自分が女性であるということを意識しているみたいですが、博士はそういった感情は、まだ未発達のようですね。わざと直視していないように思えますが、不器用なだけに、自分の気持ちをどう整理していくのか楽しみだなあ。
リーの方は、博士をどう思っているのかよくわからかないですが、最後の遭難話のときの場面を思い返してみると、いろいろ想像させられるものがありますね。何気にリーのほうが大人なので、このあたりの問題は、リー次第なのかなと思わなくもないです。
たしか、次の作品が最終巻なので、どういう結末を迎えるのか楽しみですね。
ねじまき博士と謎のゴースト
樹川 さとみ
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