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伯爵と妖精 あいつは優雅な大悪党 / 谷瑞恵

「でもあなた、妖精なんていないと思ってるんでしょう?」
「僕の現実にはいない。夢の中の存在だね。でもきみは、誰よりもずっと現実の幅が広いんだろう。ほら、目のいい人は遠くまで見えるじゃないか。きみの話を聞いていると、そんなものだと思えなくもないな」

妖精が見えて、彼らと意思を疎通できる妖精博士のリディアは、妖精が見えない人たちからは変わり者として見られていた。ある日、父と会うため、ロンドン行きの船に乗ったら、エドガーと名乗る男に誘拐されてしまった!伯爵であるという彼は、継承の証である宝剣を探しており、言い伝えに寄れば、それは妖精国にあるという。優雅だけど強引なエドガーの交渉で、つい手伝うことを約束してしまったが、ちまたで話題になっている連続殺人犯の特徴が、エドガーと似ていることを知って……というお話。

いやあ、悪い男だなエドガーは。でもそこに魅力があったりするから、困りますね!逃げようにも逃げられないのは、物理的にではなく、精神的に囚われてしまったからだよなあ。

ただまあ、エドガーにしても、目的のためなら人を騙すことなんて気にもかけていなかったのに、つい本音を見せてしまうあたり、ニヤニヤしてしまいますね。そりゃリディアも気になってしまうわけだ。彼女の傍にいる猫のニコ(お話できます)がヤレヤレと思う気持ちが良く分かる。

何かとやりあいながら、妖精に纏わる話を集めて、目的地に近づいていき、一方でそのお宝を手にしようとする別の悪党が、リディアの父をだまくらかして……という冒険ものな展開も面白い。

エドガーの過去は暗いものがあり、そのことに触れながら、リディアが傍にいるのは、彼が見えていない妖精に対して見せる態度が大きいと思います。見えなくても信じる思いが伝わってきて、これまで周囲にいない人だったから印象に残り……ね。

片方はふざけて、片方はツンとして、なかなか思いを相手に伝えようとしないあたりが、とても可愛いお話でした。

話は一区切りついているけれど、どうやらシリーズになっているっぽいので、ここからどう繋げていくのか楽しみですね。

伯爵と妖精 あいつは優雅な大悪党 (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫) - 谷 瑞恵

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谷 瑞恵

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