「あたしは言いました。おとなしく待っててって。すぐに行くからって。なのになんでこんなとこにいますか?」
「……だって、仕方ねーだろ」
柾季が顔をしかめて言った。
「会いたかったんだ」
魔女を目指す高校の滋賀柾季と、ひょんなことから彼の使い魔になってしまったに観凪一子が、柾季の信条である「皆様のお役に立つ魔女」を目指して社会奉仕を繰り広げながら成長していくコメディシリーズの第六弾。今回は、倒れた柾季と意識を同調させた一子が、ふたりで精神世界を冒険していくお話です。
はじめ、柾季と一緒に行動する一子にはどこか遠慮があったんだけど、精神世界では二人の妄想とかが生きてくるので、恥ずかしいとか言ってるレベルじゃないですよね。開き直ったらもう一子のターンですよ!王様があんな姿をしていたら……そりゃ、好きな人であっても思わずぶん殴ってしまうぐらい恥ずかしいですよね。もうニタニタが止まりませんでした。
一方の現実世界では、ランランとひかるが頑張ってくれました。肝心の二人が倒れたままなので、なんら手がかりない状態から、協力して突き止めていく展開が良かった。こっちも良い感じの仲になっていきましたよねぇ。
騒動の原因となったもうひとりのましろを追いかけていったときの話には、悲しいすれ違いがありましたけど、でもランランが言ってくれました。
「喜びたまえ。どこかの大たわけのおかげで、まだやり直しがきくのだ」
柾季のやったことは、たしかに大たわけだと思うけど、やり直しのきっかけを与えたことは良かったと思います。
いやあ、面白かった。あっちのほうに行ってしまうのは、ちょっと物足りなくも思ったんですけど、過去を見つめて、現在を見つめて、これまでの思いと新たな思いを発見していく展開は良かったです。最後もまた良い感じに微笑ましくて、楽しかった。これで最後とは寂しいなあ。
毎回ちょこっとだけ出てくる朔実が、ほんといいキャラで、できれば彼女メインのお話も読んでみたかった。そこだけは残念かな。
東方ウィッチクラフト―人の望みの喜びを (コバルト文庫)
竹岡 葉月
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