「じ、じゃあきみは、ほんとはなんて呼ばれたいんだ?」
植え込みの端にまで追い込まれた男に、宇卵はにやりと、チェシャ猫のようなあいまいな笑みを浮かべて言った。右手の、ピンク色のバトンを持ち上げつつ。
「そうだね。強いて言えば、魔女っ子か魔法少女ランランと呼んでくれたまえ」
魔女を目指す高校の滋賀柾季と、ひょんなことから彼の使い魔になってしまったに観凪一子が、柾季の信条である「皆様のお役に立つ魔女」を目指して社会奉仕を繰り広げながら成長していくコメディシリーズの第四弾。今回は、このまま便利な使い魔でいいのだろうかと悩む一子の前に、ゴスロリファッションに身を包んだ柾季のお仲間・ランランこと宇卵が現れて、柾季とは違った形で社会奉仕する騒動を描いたお話です。
ランラン格好いいよランラン。登場シーンの口調からして惚れ惚れさせられるものがありましたが、行動においても、柾季より「魔女」なイメージに近いものがありました。彼女の社会奉仕を受けた人は、夢を見させるけれど、でもそれが期限付きだということを知っていくというあたりは、非常に現実的だけど、感情からするとドライにも感じるものがあって、わかるけどでも……的なものがありました。嫌いじゃないから、なんとも困る。
でも、それは、自分の中にある弱さと繋がりがあることなんですよね。このあたりが見えてくる展開はよかったなあ。
一子も振り回されていましたが、ランランの魔法講義めいたものは、いろいろ学ぶものがあったと思います。このまま使い魔を続けてていいのかという悩みを持ちながらも、ウィッチクラフトを知っていきたいと思うのは、やっぱり好きだからですよね。
自分のために、友のために、困ってる人のために、思い切った作戦を取れる一子が、素敵だと思いました。柾季も少しは見習おうよ。っていうか、何気に柾季って役に立ってな……なんでもないです。
いやあ、面白かった。
ひかるの変貌にニヤニヤしたり、恋愛要素も見え始めてきて楽しくなってきましたが、最後の最後でやってくれたよランラン!うわー、どうなるんだろう?もちろん、柾季も見てたよね?
それぞれ抱える感情があると思いますが、どうなっていくのかとても楽しみです。
東方ウィッチクラフト―神様はダイスを振らない (コバルト文庫)
竹岡 葉月
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