「ウィッチクラフトってのは、人の幸福のために使うんだろ?」
「そうよ」
「目の前に不幸になりかけてる奴がいたら、手をさしのべて救ってやるのが筋じゃないのか?」
「それは力を持つ者の思い上がりね」
魔女を目指す高校の滋賀柾季と、ひょんなことから彼の使い魔になってしまったに観凪一子が、柾季の信条である「皆様のお役に立つ魔女」を目指して繰り広げるコメディシリーズの第二弾。今回は、ダンサーとして有名な柾季の母・千草に弟子入りにやってきた女性・倉田玲奈と知り合ったら、彼女の周りを何者かがうろついてる気配を感じて……というお話。
ああ、いいなあ。ボランティア活動というには派手な立ち回りばかりすることに嫌気が差しても、柾季にケアされたら元気になってしまう一子の乙女心がいじらしい。はじめは気が利かなかった柾季だけど、無愛想ながらいろいろ気を回すのが見えるあたりに、ニヤリとさせられます。いいコンビだ。
今回柾季の母が登場しましたが、なかなかパワフルですね。でも芯を感じるものがあるのは、さすが魔女といったところでしょうか。夢を追ってやってきた玲奈を追い返したのは、もちろん、例の秘密があったからでしょうけれど、それだけじゃなく、既に見えていたものがあったからでしょうか。
迷っていた玲奈が、ひとつ大きな成長を遂げることができたのは、間違いなく千草との出会いがあったからだと思います。もちろん、そのきっかけを作り上げた一子との出会いも大切なものだったでしょうね。最後に渡された一子からの手紙は、きっと彼女の今後の支えになると思いました。
いやあ、面白かった。人々との出会いを通じて、成長していくお話って素敵ですね。恋愛方面が若干物足りなくもありますが、これは今後の楽しみにしておこうっと。
東方ウィッチクラフト―螺旋舞踏 (コバルト文庫)
竹岡 葉月
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