「今度こそ、俺は間違えずにちゃんと君を守れたよね……アリア」
乙女の間、女性は精霊や幻獣を使役するという世界で、聖獣・光焔と契約したアリアが、巫女姫の力を得ようとする王家や騎士団が謀略に巻き込まれていくシリーズの第十七弾。今回は、アリア・光焔が、「涙なきイティス」・バシリスクと対峙するお話しです。
ラストに向かっての盛り上がりと、ワクワク感がたまらない!
バシリスクの契約の門への道を託されてイティスの元へ。それは戦争を止める為の戦いですが、多くの後悔を抱えながら、それでも立ち上がってきた彼女だからこその決意だと思います。それは、バシリスクという聖獣を使役したイティスも一緒で……彼女の悲劇は、アリア以上のものがあって、何とも遣りきれない。権力を持つ者は、なぜこんなにも同じような過ちを繰り返すのだろう。人は、戦う道具ではないのに。
戦いを終わらせたいという思いが、功を焦るバカ王子と、立場を笠に着る王によって踏みにじられていく様は、失われた命を思うとやるせないですが、理想を追い、現実を知り、力と責務を負うアリアの言葉が、多くの人を動かしていくところは、もう格好よくてしびれます。あの迫力は、王すら超える。
アリアの言葉に動かされた人たちと、名君の誕生を思わせる展開にはゾクゾクしまくりです。きっとこの話は書かれないんだろうけれど、ああもう読んでみたい。
そしてラストもすごかった。ようやく、ようやくアリアが戻ってきて、シェナンの胸の内に温かいものが広がってきましたが、そのシーンたるや、もはや彼女は女神として降臨したといっても過言じゃない。ディスクという重荷はあるものの、戦争を止め、争いを止めるために、舞い戻ってきたアリアとその仲間たちが、どうやって暗黒教団と決着を付けていくのか。最終巻まであと二冊ほどということなので、楽しみに待っていたいと思います。
轟け、暗雲薙ぎ払う雷鳴 幻獣降臨譚 (講談社X文庫 もE- 22 ホワイトハート 幻獣降臨譚)
本宮 ことは 池上 紗京
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