「どうして、私の愛する者は……この腕を、すり抜ける……?」
北斗七星の最も凶悪な星にちなみ「破軍」と呼ばれていた王宮の暗殺集団「北斗」の首領。その正体は、第一公主である少女であった。父より告げられる「仕事」に運命を呪っていた少女・揺光は、あるとき敵国の公子と知り合って……というお話。
これはとても好みでした。……途中までは。
破軍として生きていくことに、どこか疲れたものを感じていた少女が、敵国の公子と出会い、お互い似たようなややこしい境遇であることを知って、緊張感を保ちながら、だんだんと心地よさを覚えていく。その距離感とか、想いの変化が見えてくる描写は、とても良く。
愛することが辛さを呼ぶ展開が切なかったです。
ただ、物語の中盤を過ぎたあたりから、だんだんと、言葉は悪いですが、スカスカな感じになってくるから、とてももったいなく思いました。特に最後の方なんて、それだけで一冊の本になるんじゃないかと思えるお話を、駆け足で語るだけなんですもん。
できれば、最後まで息切れしないで書いてほしかったなあ。
いや、まあ、才ある人の描写が薄いとか、父上の心境の変化は甘すぎるんじゃないかとか、いろいろ物足りないところはあるんですけど、個人的には悪くなかったので、今後も追いかけていくかもしれません。
2008年下期、ホワイトハート新人賞受賞作。
さながら駆けし破軍の如く (講談社X文庫―ホワイトハート)
天野 ゆいな
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Comment:1
- No Name 2009-06-20 (土) 04:33
-
>「どうして、私の愛する者は……この腕を、すり抜ける……?」
Sound Horizonの「石畳の緋き悪魔」という曲に
「君が愛す者全てその腕をすり抜ける」という歌詞があります。まさかねw







