「わたしは自分勝手で自己中心的で、復讐のこと以外は何も考えることができず、死ななければ治らないような馬鹿で、そなたを散々道具扱いした、酷い、何の救いようもないような、死んで当然の女だけれど――それでも」
今思っていることを。そのまま、飾らずに言う。
「わたしはそなたに、惚れてもいいか?」
開始50ページでやられました。
今までとがめが、どんな思いで生きてきたか、旅をしてきたかが見えてくるところには、重いものを感じましたが、それでも、戻れるものなら、戻りたかったんだろうなあ。この旅が終わったら、というとがめの言葉は、嘘ではないと思いますが、それ以上に、道半ばという言葉は本音だったと思います。
七花があれほどの感情を見せるまでに人であってくれたことに、この章のとがめの最後のセリフに、涙。
ここで終わっても文句なかったですが、否定姫もまた戦ってたんだなということが見えてくる展開が、また興味深い。刀と修正の絡みは、ちょっとわかりにくいところがありましたが、すべては四季崎の思惑どおりなところが、ゾクゾク。
そして七花の成長が見える再びの刀狩が、またすごい。すべての刀に対抗できる術を持って挑む七花の力強さが、すばらしく印象的でした。特に虚刀流「菊」の力強さには驚愕。
「あんたにゃちっとも、ときめかねえ」にニヤリとし、まにわにのバカさにぽかんとさせられて、十番目の人には涙が出そうなほど笑って同情して、二百七十二回の殺戮にはどれほど強いんだと思いましたが、なんといっても素晴らしきは、最後の敵への奥義でした。まさか、ちぇりおに泣かされる日が来るとは、夢にも思わなかった。
いやあ、こういう盛り上がり方を見せてくれるとは、さすが最終巻って感じですね。感動と、もやもやしたものが残る読後感は、なんとも言えないものがありましたが、七花の道が見えるラストはよかったかな。
十二ヶ月連続刊行、お疲れ様でした。
また次なる物語で会えるのを楽しみにしてます。
刀語 第十二話 炎刀・銃
西尾 維新
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