鳳凰さまを助けてください― そう言って倒れた真庭人鳥を一先ず介抱したとがめと七花。罠である可能性も考えられるが、毒刀「鍍」がそこにあるならば、蒐集しないわけにはいかない。
そしてふたりは、毒刀「鍍」を追って、新・真庭の里へと向かったが……
新・真庭の里で待ち受けていたのは、毒刀「鍍」を手にした鳳凰ではなく……というお話。
次のまにわにを背負うと言われてる人鳥が、刀傷を負って倒れていたという前作の終わりを見て、いったい何があったのかと思っていたんですが、まさかまさかな展開が!いや、左右田右衛門左衛門と鳳凰が戦ったというところまでは、誰でも思い当たると思いますが、ここで毒刀が生きてくるとは予想だにしてませんでしたよ。
因縁を大いに感じさせてくれただけに、どう決着をつけるかワクワクしてた身としては、ある意味、拍子抜けな感もあるんですけど、同時に、いったい何がどうして?と引き込まれるものもありました。
そんな毒刀を追って、とがめたちが動くんですが、ここにきて、旅の終わりなるものを思わせるやり取りがあったのは、印象的でしたね。とがめがどう思っているのか気にしながらも聞けなかった七花の小心っぷりには、微笑ましいものを感じましたが、ソレより何より、とがめが告白めいたことを口にしたことが、すごい嬉しかったです。
「腹心になってほしい」って言葉なのに、なまじな愛の言葉よりも、心にきたのは、ふたりの関係の複雑さを感じていたからかな。七花自身も「仇」について意識してたけど、そういうものを飛ばして、側にいてほしいと思えるほど、ふたりの旅路はいいものだったんだろうなあ。
七花の無知を利用して、さりげなく手をつなぐとがめに、クーとなるばかり。
ふたりの雰囲気がとても良かっただけに、終わりを予感させる言葉には、不安だらけでしたが、ここにきて最後にあんな場面を見せられるとは思いもしませんでしたよ!まさか、と一瞬凍りついてしまいました。ここで終わるとは反則過ぎ!
あまりのショックに、人鳥 VS 左右田右衛門左衛門とか、鳳凰 VS 七花とか、どうでも良くなるぐらい。いや、実際、人鳥 VS 左右田右衛門左衛門には、おいおい!とツッコミたくなるような戦いっぷりだったのでアレでしたし、鳳凰 VS 七花では、戦いそのものよりも、四季崎記紀や変体刀の真実が見えたことのほうが、印象的でしたし。こっち方面から来るとは思ってもなかったけど。
蒐集もあと一本となったところで、ついに否定姫も動き出したってことでしょうね。
次の最終巻でどんな幕を閉じるのかわかりませんが、願わくば、七花たちに幸せな未来が待ち受けてますように……。
刀語 第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ)
西尾 維新
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