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[西尾維新] 刀語 第八話 微刀・釵 (カンザシ)

壱級災害指定地域のひとつ、不要湖。江戸にありながら、人が住むことすらできないその地に、四季崎記紀の工房があるという。敵対する否定姫からの情報とはいえ、信憑性が高いと判断したとがめは、七花と不要湖を目指した。そこで七花が見たのは、大量のガラクタと、近づく人間を自動的に惨殺する日和号で……

七本の刀を集めたものの、行き詰った矢先に否定姫からの連絡を受けて、尾張へ戻った二人が……というお話。相手については嫌悪というか、蹴落とす話しかしてなかったので、どんなやり取りが待ち受けているのかと思いきや、なんとなく、喧嘩仲間っぽくて楽しかったりする。心の奥底は見せてないですが、似たもの同士ですよね。

というわけで、何かしら思惑を抱えている否定姫から得た情報を元に、八本目の刀を手に入れるために、不要湖なるところへ行くんですが、ここで出会った意外なモノを通して、七花の意識が変わっていったことを感じられるところが印象的でしたね。
刀としてただ使われるだけの存在が、人として、とがめを信じて戦う姿には、ああ、いい方に向かってるなあと思いました。姉との対決とかも影響してるのかしら、なんて思って、ちょっとじんわり。

七花の信頼を受けるとがめがまたカッコよくて。人でないものに対して、奇策は通じないのでは、と心配する七花に向かって啖呵を切るところは、文句なしで今回一番のシーンでしたね。否定姫のことを気にする七花に嫉妬したり、膝の上だっこされてる人と同じとは思えないほどです。
だんだんと力だけでは勝てなくなってくるところで、とがめの奇策が光るという展開を見てると、いいユニットだなあと思わせてくれますね。すべてがとがめの予想通りに進む戦いに惚れ惚れさせられました。

これだけだったら、いたって普通のお話ですが、気になるのは例の否定姫側の動きですね。否定姫の配下であり元忍者の左右田右衛門左衛門が、まにわにの海亀と戦ったりするところも、いろいろ意味合いがありましたが、何より印象的なのは、日和号について否定姫が呟いた言葉でしょう。たった一言で、大げさじゃなく、世界が変わるようなこと言い出しましたね。ってことは、それを作った四季崎記紀も……。おお、なんか面白くなってきたぞ。

どちらかといえば、今後に続けるための伏線をばら撒くお話のようでしたが、きっちりテンションあげてくれるので、面白かったです。報われない右衛門左衛門と、否定姫の関係もなかなかグッドでしたし、今後が楽しみになってきましたね。

刀語 第8話 (8) (講談社BOX) - 西尾 維新

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