千本で一本。それが千刀だという。鎩の持ち主である三途神社の神主、敦賀迷彩の元には、千人の巫女がいて、つまりは、今回は千人が敵に回るということだ。
やれと言われればやるが、さすがに大変だと思った七花だが、最悪でも迷彩との一対一に持ち込むと、とがめは交渉に自信を持つが……
雑劇寸劇茶番劇な12ヶ月連続刊行、刀語第三弾は、無刀 VS 千刀の物語でした。序盤の敵地に着くまでのやり取りが、相変わらず面白いですね。まさか、お姫様抱っこなる特典を持ってきてくれるとは思いませんでした。いちゃついてるようにしか見えない掛け合いがたまらない。特に一発目のちぇりおは、破壊力満点でした。
そんな序盤を抜けたら、意外にもシリアスな話で進んでいきましたね。刀として生きていく七花をどう扱うべきか迷うとがめの姿が印象的でした。ときおり見せる感情の無さには、確かに怖いものを感じるからなあ。ただ、逆に感情を手に入れたら、ひょっとして強さが変わってしまうのかなと思ったりしますが、さてどうなんだろう。
敵地には、千人の巫女がいるということで、いったいどうなるのかとワクワクして思ったら、何気に現実的なお話だなあ。べ、別に期待してなかったけどね。
姑息な手から策略まで、いろいろと幅広く揺さぶりかけてくる迷彩には、なるほど、さすが元山賊だと唸るものがありました。これって、七花じゃなかったら、かなり有効な手だったんじゃ?
千刀の技には、それあり!?と思ったりしなくもないですが(っていうか、普通にやっても良かったんじゃないかしら)、己の過去を振り返り、命を捨ててもいいと覚悟する迷彩の思いには、しんみりするものがありました。
最後にとがめが戸惑ったのは、七花を刀として扱おうとしていないからこそなんだろうなあ。自分が責任を負うとはいえ、それに巻き込む形になっただけに、七花への思いは複雑なものがあると思いますが、覚悟を決めたものとして、今後どういう態度でいくのか気になるところですね。
刀語 第三話 千刀・ツルギ
西尾 維新
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