「鏡の国のアリス」―その小説が単なる空想でなく、彼女が通り抜けた鏡が存在するとしたら……。
存在するか否かもわからぬ『アリス・ミラー』を求めて八人の探偵が、江利ヵ島と呼ばれる孤島に建てられた『アリス・ミラー城』へとやって来た。探偵、島の権利者、お手伝いなどが一堂に集い『アリス・ミラー』を探し始めたが、遊戯室に置かれているチェスの駒が、ひとつ消えるたびに、島にいる人間がひとりまたひとりと変わり果てた姿で発見されて……。
だまされた!
最後の章を読んだときの気持ちをどう表そうか。思わずページを戻り、こんなにも手がかりがあったのに気づかなかったなんて……と愕然とする次第です。いやあ、やられたやられた面白かった。
孤島を舞台に人数分のチェスの駒なんてものが現れた時点で「そして誰もいなくなった」を彷彿させてくれて、「物理トリックが存在する意味とは」という談義が始まるところには、ミステリ心をくすぐられるものがあったりして、読むのが楽しくて仕方なかったです。もちろんのことながら、連続殺人が起こるわけですが、これがまた謎めいてるんだよなあ。
犯人と密室の謎を探偵たちが考えていき、毎回毎回「あ、なるほど」と思わされたあとに、別の解答が持ってこられたりして、ドイツもこいつも説得力があるから困ります(考えてないだけジャン!)。
アリス・ミラー城という場所の幻想的な雰囲気とトリック満載な殺人事件、しかも連続で起きるサスペンス。犯人はなぜ密室を作ったのか……という謎には、なるほど!と膝ポン状態でした。
いやあ、面白かった!
似たような作品が思い浮かんだとしても、逆に思い浮かんだ人ほど騙されちゃう……かどうかはわからないけど、僕にとっては思いっきりやられた感あふれるお話でした。鏡の国のアリスが読みたくなってくるお話でもありますね。ちゃんと読んだことなかったので、いつか読む。
「アリス・ミラー城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)
北山 猛邦
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