今、世間を騒がせている怪盗ゴディバがはじめてこの国に現れたのは、僕が生まれた年だった。
盗んだ後には必ず赤いカードが残されており、21回目の犯行はつい先日のことだった。
ある日、新聞記者見習いのマルコリーニからゴディバの話を聞いた僕は、犯行現場に残されるカードの絵にもうひとつの特徴があることを聞かされた。
父の形見の聖書から見つけた古びた地図にも同じ絵が描かれていることを思い出したぼくは、怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズに手紙を送ったが……
やられた。まさか、こんな展開だとは思ってもみなかった。
怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズと、それに関わる少年リンツ。
この一文どおりの話なんですが、この一文から展開を予想できる人はいないでしょう。
前半がとても素敵な少年冒険ものであっただけに、中盤からの裏切りの連続による展開に心が抉られそうになりました。サスペンスさの秀逸さもさることながら、大人の裏側を知りながらもまっすぐ成長していく少年の姿がいいですね。どこか清々しさを感じます。
これだけ個性あふれる人たちが出てくると、誰をヒーローとするのかは読む人によって異なるでしょう。ちなみに僕のヒーローはドゥバイヨルです。こんなに印象が変わるなんて思いもよらなかった。
まったくもって乙一だよと言いたくなる、捻りまくった少年冒険物語です。
ちなみにイラストがとても不気味で、展開とあいまって、ものすごいインパクトを受けました。何かの拍子に思い出しそうなぐらい印象的。子供が見たら夢に出てきてしまうのではないかと……。
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