「大手門には、おそらく城侍こぞって集まっておろうに、剣俠児、まことに堀の女たちを救い得るか?ああ!」
暗愚な藩主加藤明成と彼の手足となる会津七人槍に身内を惨殺され、生き残った七人の女。なんとしても自分たちの手で悪鬼どもを討ち果たしたい。その思いを支援すべくやってきたのが、柳生但馬守の嫡男・十兵衛だった……という柳生忍法帖。下巻は、会津七本槍を四人まで討ち取ったものの、本拠地・会津へと戻った加藤と銅伯が打った手は、沢庵をも絡めとる策で……というお話。
すっげー面白ろかった!
腹のさぐり合いのようなところから始まりながら、会津内部に入り込んだら、不利と思われてた十兵衛たちの方が、有利に戦いを進めていって、このままなら……という予感をさせた後に、銅伯の打つ手の非道さにやられる。まさかこんな心理戦を仕掛けてくるとは!
沢庵が絡めとられる中、壮絶な印象を残したのは、お経を読むことしかできない僧の戦いと、おとねの頑張りでした。ほかの人たちの力ももちろんなんだけど、この方々なくして、勝利はあり得なかったよなあと思った次第。
でもやっぱり一番格好いいのは十兵衛ですよね。敵の卑劣な策により、いつの間にか圧倒的不利なところに追い込まれたのに、それでも沢庵を前にして放った言葉の凄さといったら!
男に惚れるとはまさにこのことを言うんじゃないかしら。
逆転につく逆転の繰り返しにハラハラでしたが、最後には痛快な悪を斬るお話でした。締めた「彼女」の威厳にしびれまくった僕がいる。
それにしても十兵衛ってのは魅力に溢れてる人ですよね。あれほどの強さを見せながら、父上の前ではヘタれてるんだから……大好き。
柳生忍法帖(下)―山田風太郎忍法帖〈10〉 (講談社文庫)
山田 風太郎
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