「隠したがってること?」
「ナルの正体、ってやつだ。こいつは自分のプロフィールを隠したがってる。こいつが住んでいる場所は、それがどこだかわかったとたん、やつのプロフィールを暴露する危険性をはらんでいる。だから、隠すんだ違うか?」
『憑きもの、幽霊、よろず相談申し受けます』な「渋谷サイキック・リサーチ」に舞い込んできた奇妙な出来事を、ナルシストな所長ナルちゃんこと渋谷一也とその助手であるリン、アルバイトの高校生・谷山麻衣の三人と、ぼーさん、巫女、エクソシスト、霊媒師が、文句を言いつつ協力し合って、事件を解決していくシリーズの第七弾の下巻(つまりは八冊目)。
廃校となった小学校に幽霊が出るので何とかしてほしいという依頼を受けたナルたちが、校舎内に囚われてしまって、というお話。
追い詰められた麻衣たちはどうなっていくのか、というあたりは非常に興味深いものがありましたが、プラスの気持ちを持ち続けて、場所に、想いに囚われていた幽霊たちを、そっと導いていく麻衣の姿勢が良かったです。幽霊であろうと何だろうと、自然と手を繋いでいけるのは、麻衣の強さですよね。
霊に語りかけながら、自分の気持ちをも整理して。
みんなと再会したとき、直接的に入ってこなかったけど、皆が「お疲れさん」という感じで、麻衣を構う姿に、温かいものを感じました。この温かさを感じられたから、突然の閉鎖予告で不安になってた麻衣も、元気よくみんなの身辺調査ができたんだろうなあ。人と人とのつながりがほんと素敵。
ただ、上巻であれほどのサスペンスを見せてくれたあとだけに、この和やかさには、肩透かしを食らった感じもあったんですが、もちろんそんなぬるく終わるはずがないですよね!
ナルとのギクシャクしたものは、いまだ終わってなくて、そのあたりを隠し続けるナルに麻衣が爆発して、それを取り成しながら、越後屋安原が場を作り上げて、そして、皆の期待を背負ってくれたのが、ぼーさんでした。
まさか、一巻でナルが呟いたあの一言が、こんなところでつながってくるなんて!そうだよなあ、あの時、たしかに違和感もったんだよなあ。僕も、麻衣のせいでだまされた口ですよ(言い訳)。
名前についてちょっとした疑問から、その後に生まれたひとつひとつの疑問をたどっていき、その正体を明らかにしていく展開は、まさに謎解きの醍醐味。ぼーさんの名推理にしびれまくりました。
ナルの正体と同時に、麻衣の恋の正体も見えて。
あれはちょっと切ないけれど、でも、それでも、素敵な恋だったと、そう思います。
いやあ、面白かった。シリーズを読み始めたときは、単なるドタバタゴーストハントものだと思ってたけど、とんでもなかった。すばらしきサスペンスと、すばらしきミステリーが詰まったシリーズでした。
超オススメなので、古本屋等で見かけることがあったら、ぜひ手にとって見てください。
「面白いから」と貸してくれたゐんどさんに大感謝。
悪霊だってヘイキ!〈下〉 (講談社X文庫―ティーンズハート)
小野 不由美
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Comment:4
- TS 2008-08-01 (金) 21:06
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はじめまして。通りすがりの者です。小野不由美さんは私も大好きで、続きが出てほしいのですけど望み薄なのでしょうかね。ホワイトハートのゴーストハントもおすすめですよ。
- deltazulu 2008-08-02 (土) 11:34
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このシリーズは大好きだという方が多いようで、いろいろな方に薦められました。あちこちにネタバレがあるので、未読の人とは語り合えないという苦しみもあるようで、お勧めの仕方がハンパなかったです(笑)
> ホワイトハートのゴーストハントもおすすめです
おすすめありがとうございます。うまい具合に借りることができそうなので、読んでみたいと思います。
- 鈴木灯子 2008-08-09 (土) 20:39
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初めまして。こちらのサイトがきっかけで、悪霊シリーズを読みました。
ラストは少し切なかったですが、気持ちよく読めたいい本でした。おそらくここを見てなければ読むことはなかったと思うので、本当にありがとうございます!おかげで素敵な本が読めました!!
これからも読書の参考にさせていただきますので(笑)頑張ってください。 - deltazulu 2008-08-10 (日) 20:11
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うちのサイトの感想が読書のきっかけとなったとのコトで、嬉しく思います。
ただ感想を上げているだけのサイトですが、何かの参考になればと思います。
今度ともよろしくお願いします。






