「そう、最近気づいたことなんですけど、この一連の陰謀の首謀者は、とんでもなく気が長い奴なんですな」赤熊はそこで笑った。「そういう非常にゆったりとした時間軸で考える必要がありそうだ、ということです」
「何かの実験だと?」
「そうかもしれない。新たなネットワークというか、仕組みを作ろうとしている」
「α」の文字を持つ目薬に劇薬が仕込まれて、同じ目薬を持ったまま死んだ男を、加部屋恵美が発見して……、事件の背後に彼女の姿が見え隠れする Gシリーズ第七弾です。
うーん、もやもやする。事件そのものは解決したような、でもうやむやになってるような……って感じで、いまいちすっきりしないんですが、まあ、Gシリーズは、事件の解決というよりは、事件がもたらしていくであろう結果が、キーになっていくお話みたいなんで、しかたないか。
おそらくは、推移を観察しているであろう、真賀田四季の天才っぷりにしびれまくりな僕がいる。
真賀田四季に関連した人も、名前だけではありますが、出てきてましたね。はじめは誰のことかさっぱりでしたが、「かつて」の場面で一気によみがえりました(遅いよ)。今回の事件……というか、まあ、アノあたりに何らかの関わり合いがありそうなので、次あたり出てくるかな?おそらく彼女が出てきたら、真賀田四季につながるものがあるだろうから、楽しみだなあ。
少しずつかもしれないけど、核心に迫りつつある赤熊さんの活躍に期待しよう。
もはや事件に関わり合いがある、というぐらいでしか登場してこなくなってきた大学メンバーたちですが、それぞれの行く末が語られるようになると、寂しいものがあるなあ。海月君が何を考えてるのかわからないだけに、加部屋も何をすればいいのか、みたいな変化球な行動ばっかり取っちゃって、ちょっと可哀想になってくるけど……、海月君もいろいろ抱えてるものがありそうなだけに、はたして彼女の恋がうまくいったほうがいいのか、何とも言えない気分になる。っていうか、加部屋よ、本当にあんな男でいいのかとマジレスしたくなるのは僕だけかしら。
それにしても、普通の人が手を赤く染めていくところの心理描写が怖いなあ。はじめは相手の人柄にひかれて、気づけば相手の言葉を肯定して、最後には……。でも、これって時と場合が違えば、良い意味にも受け止められるわけで。だからこそ、怖いと感じるのかもしれない。
萌絵は関わらないようにしてるみたいだけど、犀川先生はどう思ってるのか気になるなあ。
目薬αで殺菌します (講談社ノベルス モF- 43)
森 博嗣
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