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[西尾維新] 零崎曲識の人間人間

零崎一賊を倒すには、まず双識を何とかしなければならない。殺人鬼集団・零崎一賊に戦争を仕掛けていた首謀者、萩原子荻は、その正体を知らぬ双識とのデートに罠を仕掛けることにした。いくら強くとも、か弱い女の子という足手纏いがいれば……。その策は実行されれば、成功する可能性は高かったに違いない。だが、彼女は知らなかった。双識と子荻の後をつける燕尾服を着た男、零崎曲識の存在を……

子荻ちゃんの策による総角三姉妹との戦いや、若き日にまだ最強となってない赤い人との出会い、人織との邂逅、さらには零崎一賊の最後を飾った、「殺し名」の第三位に列せられる殺人鬼集団・零崎一賊の中でも異色を放つ『少女趣味(ボルトキープ)』零崎曲識の物語です。

いやあ、強いですねぇ。子萩ちゃんとデートする双識を狙う総角三姉妹を相手にする「ランドセルランドの戦い」で、その力を見せてくれました。今までで一番反則っぽい力じゃね?と思わなくもないんだけど、でも、なんか許せちゃう雰囲気があったなあ。っていうか、みんな化け物揃いだからいいか。

ただ、その強さの割りに、あまり目立たないのは……、落ち着いてるからかなあ。いや、ボトルキープの由来とか、えぐいと思うんだけど、子萩×双識や、人識×出夢のじゃれあいが出てくると、あっという間に影が薄くなっちゃうところが、なんとも寂しいものがある。ああ、そうか。相棒的存在がいないから弱いのかなあ。

ロイヤルロイヤリティーホテルの音階」は、もうちょっと時を戻して、まだ若かりし頃の曲識が、絶体絶命に追い詰められたときに、同じく追い詰められていた赤い人と出会うお話。
これはよかった。
ここで、哀川さんと出会えたのは、彼が生きていくうえで、どれほどの力を与えたかわかりませんよね。いや、殺人鬼なんで、生きてていいのかアレなんだけど、とりあえずおいといて、限界を決めていた彼に光を与えた哀川潤の言葉が、とても印象に残る。

クラッシュクラシックの面会」は、隠居生活っぽい感じになってた曲識の元へ、人識がやってくるお話。「零崎双識の人間試験」の直後ぐらいですね。人識と伊織のカップルっぷりにニヤニヤしまくり。一見、面倒を見てるのは、人識くんっぽいんだけど、さりげなくやさしさで包む伊織ちゃんが、素敵すぎる。
そういえばコレ曲識の話だよね?ってぐらい、人識側の話っぽかったけど、まあ、最後にお兄さんっぽいことをやってたので、よしとしよう。

そして最後の「ラストコルラストの本懐」。あまり積極的に戦闘にかかわらないポリシーを持っていた曲識が、「橙なる種」により殲滅されることになる零崎一賊を見て、家族のために死を覚悟して戦争に参加する思いが、もう……。何かと脇役に甘んじてたのに、最強種を相手に立ち向かう格好よさに痺れました。
そして、最後に彼女が姿を見せて……、かつての約束を守ろうとする男の想いに、思わず涙がでる。

いやあ、面白かった。読み始めたときは、今までの零崎シリーズに比べたらちょっと物足りないものがあったんだけど、最後はきっちり心を持っていってくれました。切ないんだけど、不思議と温かいものを感じる終わりに満足です。

さてさて、零崎シリーズは、次の零崎人識の物語で最終作となるようですね。。伊織ちゃん話の続きとか読んでみたいので、すっごい楽しみ。

零崎曲識の人間人間 - 西尾 維新

零崎曲識の人間人間
西尾 維新

講談社(新書)
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Comment:2

通りすがり 2008-03-11 (火) 08:48

少女趣味のルビはボルトキープでは?

deltazulu 2008-03-11 (火) 10:03

すみません。修正させていただきました。
ご指摘ありがとうございます。

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