オリンピックの時にテレビで紹介されていた諏訪大社の祭りの話を職場でしていたその夜、タタルから電話がかかってきた。諏訪の御柱祭りを見に行かないかとのお誘いだった。ちょうど予定があいていたので行くことにしたが、なんと小松崎も妹の沙織も行けないという。
まさか、二人っきり?と緊張したが、現地では、先日の事件で知り合った緑川さんの妹やタタルの中学時代の同級生、それにその知り合いがいた。ちょっと複雑な気持ちになった奈々だが、待ち受けていたのは、諏訪大社の謎と殺人事件で……
薬剤師にして歴史マニアのタタルこと桑原祟と、同じく薬剤師の棚旗奈々が、歴史の謎と殺人事件を解決していくシリーズの第15弾。今回は、諏訪大社と、七年ごとに行われる御柱祭の謎を追うお話です。
なんか、いつもに比べて、タタルと奈々の関係が、ちょびっとだけ意識させられるものがありましたね。二人っきりとか、彼女とか、結婚とか。初対面の人にしろ、知り合いにしろ、ふたりを見た人たちは、ほぼ二人が付き合ってる or あとちょっと、ぐらいの視線を投げかけてくるので、慌てる奈々の姿にニヤニヤしちゃう。一方のタタルは「何を言ってるんだ?」とかいっちゃうんだから、この朴念仁が!
まあ、奈々もそこそこ意識しつつ、そこまで意識しないから、お似合いなんだよねー。
という感じの二人+地元民三人で諏訪大社を訪れるんですが、いつもながら濃いなあ。拝殿の方角が四社で背中合わせのようにバラバラになっているのはなぜかとか、諏訪大社に伝わる七不思議、そのほか、いくつ問題があったかわからなくなるほど、ずらっと謎が並べ立てられていましたが、正直、読んでいくだけで精一杯。
でも、謎そのものは興味深いし、勝利者によって作られた歴史を解きほぐしていくうちに、繋がりが見えたりすると面白い!と思えちゃうから、すごいですよね。
同じ場所で、以前から続いていた殺人事件が、タタルたちに絡んでくるんですが、個人的にはそちらはあまり興味もってなかったんですけど、こういう絡み方をしてくるとは思わなかった。
事件の謎と諏訪大社の謎が、ひとつになって解かれていくところは、強引に思いつつも、グッと拳を握りたくなるものがあって、ああ、面白い。個人的には、もうちょっと謎解き場面に紙面を割いてもいいんじゃないのかなあと思うけど……、贅沢かしら。タタルの解説+奈々の合いの手は、すごい好み。
それにしても、動機なんて一言で表せないような重みに、怨念ともいうべき、人の思いの重みを感じましたね。ただ、それに囚われることなく、折り合いをつけて前を向こうというタタルの言葉に、救われる思いがしました。
うん、今回も面白かった。QEDを読むと、一度はその土地を訪れて、タタルたちと同じ旅路を歩んでみたいとツクヅク思いますね(これ毎回書いてる気がするけど、一度も実行してない気が……)。
QED 諏訪の神霊
高田 崇史
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