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[森博嗣] イナイ×イナイ

美術品鑑定のみならず、調査、探偵まで行っている椙田事務所に、行方不明の兄を探して欲しいという依頼があった。佐竹千鶴が言うには、兄の鎮夫は亡くなっていることになっているが、屋敷の地下に閉じ込められているというのだ。怪しい依頼だが、椙田が不在のため、ひとまず助手である小川令子と留守番をしていた真鍋瞬市が、佐竹家を訪れたが……

元社長秘書の小川令子と留年確定の大学生真鍋瞬市がコンビを組んで、佐竹家の地下で発生する殺人事件に挑むお話です。Xシリーズという新シリーズですね。Gシリーズはまだ終わっていないと思うんだけど、新たにシリーズを立ち上げたのは、並列させることにも何らかの意味を持たせるのかしら。なんて思うのは深読み?

プロローグの一場面からしてとても魅力的で、歩く音やノックの音が聞こえてくるかと思いました。依頼人とのやり取りもいいですけど、小川×真鍋のやり取りもいいですね。ちょっとズレてるような、でもそこに面白さがあるような。こういう雰囲気はさすがです。

亡くなったとされる兄が、地下に閉じ込められていて、家族がまた妙な関係である奇怪な状況には、戸惑わされたところがありましたが、事件そのものはストレートなミステリーでしたね。
真鍋やもう一人の探偵、鷹知などが、推理し合うところは、とても興味深かったです。頭脳派かと思っていた小川が、それほどでもない感じだったのには、物足りないところがありましたが、三人のやり取りはいい具合に収まってましたね。こういうやり取りは好きだなあ。

ただ、他のシリーズと比べると普通すぎて、インパクトはあまりないですね。と思っていたら、最後に来たか。彼女が出てくるってことは、時間軸でいったら、Gシリーズと同時期か、もうちょっと後ぐらいかな。
で、彼女をああするってことは、椙田はそうか、あの人か。美術品鑑定業ってところで気づけよ、と自分に言いたくなりました。きっと、真鍋や小川、鷹知あたりも、どこかのシリーズにリンクするところがあるんだろうけれど、人の名前を覚えない僕としては、さっぱりなので、いつか繋がりがが見えてきたときに驚くことにしましょう。

謎解きだけじゃなく、他のシリーズとの繋がりでも楽しんでいけそうですね。今後も期待です。

イナイ×イナイ (講談社ノベルス モF- 38) - 森 博嗣

イナイ×イナイ (講談社ノベルス モF- 38)
森 博嗣

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