「ならば、貴公には伝言を頼むとしよう。貴族に飼われる道士どもよ、我を止められるものなら止めてみせよ。我は白山 — この名に覚えがある者が、まだこの地におるかな」
魑魅魍魎、百鬼夜行のはこびる平安の京。粗雑で変わり者な加茂光榮と、妖しくも高貴な気配をもつ住吉兼良の若き陰陽生が妖しと戦うシリーズの第二弾。今回は、鏡に封じられていた狼・白山と対峙するお話です。
ああ、こういう気高き狼と戦わねばならないことがやるせない……
陰陽寮に恨みを持ちながら、強者を求め、弱きは見逃し、名に恥じぬ姿がまぶしかった。似たもの同士の光榮が、敵でありながら気に入ってしまう思いは良く分かる。白山の昔話や清明の失敗談を聞くと、余計にぶつかり合うことを避けてほしいと思うんですが、それぞれ誇りがあるから……人の思いを踏みにじる外法師・水魚の行動に憤懣やるかたないけれど、乗り越えて戦う白山と、真正面からぶつかった光榮の戦いが、胸に来た。
今回は、光榮と兼良の名コンビがあまり見られなかったのが残念ですが(光榮が避けてるからしかたないけど)、その分、他のキャラの絡みがいろいろ見られて楽しかった。特に前シリーズから登場している貴年と吉平は、ほんとニヤニヤさせられる。吉平のことを気にして、彼の挙動に頬が熱くなって、近づきたいけど恥ずかしい、そんな貴年の想いが可愛いったらないです。それに比べて保胤と時継は……いまだ何の進展もないとはどういうことかね!?そろそろ周囲が何かしてあげないとダメなんじゃないかしらと思った今日この頃でした。
雪逢の狼―陰陽ノ京月風譚〈2〉 (メディアワークス文庫)
渡瀬 草一郎
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