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たんぽぽのまもり人 / 海嶋怜

「教える。励ます。温める。共に楽しむ。笑う」セオンは言った。
「ガーディアンであるおまえが翼のために出来る最善の行為は、それだ。ずっと、最後まで、力の限りそれを続けることなんだよ。……忘れるな」

ガーディアン ― それは、人と生涯をともに歩む天の使い。ガーディアンのトキオは、三回目にして初めて女の子を担当することになった。翼と名付けられた少女は、素直でちょっとそそっかしい女の子で、とても愛くるしかった。だが、彼女が健やかに育つよう見守っていたトキオは、彼女が初めての恋をしたとき、不安を覚えて……というお話です。

これはとても良かった。少女の成長を傍で見つめる、ちょっぴりヘナチョコなガーディアンの視線は、まるで家族のように温かくて。読んでて、自然と頬がゆるむことが、何度あったか。ネコのエピソード、両親のプロポーズ、素敵でたまらない。

ガーディアンができることは、ささやくことぐらいで、それに気づいてくれるかどうかは相手次第。素直な心があれば思いつきのように聞こえるし、そうでなければ……ね。

何かとトキオの言葉に反応してくれるまっすぐな翼をみていたら、トキオと同じように翼を見守っている自分がいるkとに気づきましたが、そんな彼女が高校になって初めての恋を実感した時、何ともモヤモヤした思いになったのは……あれかな、父親的気分になってたのかな。
漠然とした思いに包まれましたが、ここで見えたトキオのショックに、ああ、そうか、ここにもうひとつの恋があったのかと遅まきながら気づかされました。

辛かった。決して触れることのできない恋って、一方通行の思いって、届かない言葉って、こんなにも切ないものなんだ。しかも、彼女には好きな人がいるんだからもう……。
それでも、幸せになってくれるなら、我慢はできたと思いますが、よりによって……あのときのトキオの衝動は忘れられない。

さらに、失ってから気づく思いを見せたことで、別方面の切なさを見せられて、とても心が痛みましたが、最終章をみたとき「もしかして」と思いました。ページをめくる度に予感どおりに話が進んでいき、「お願い」と思いながら、ラストまでもどかしく読みす進めて……涙した。良かった、ほんと良かった。この恋は素敵だ。

たんぽぽのまもり人 (メディアワークス文庫) - 海嶋 怜

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