扉が閉まる寸前、彼の声が通路に響いた。
「―俺は魔物じゃない」
扉が閉まり、魔物の時間が訪れた。
閉ざされた密室。誰かが魔物。一日ごとに一人が死ぬ。サークルメンバー11人が命を掛けたゲームに挑まされる物語の後編です。前編はこちら。
11人いた仲間が8人になり、死を突きつけられたことで、恐怖と混乱が激しくなっていく展開になってくると、途端人間関係がやばくなってくる。なんせ「おまえなら人を殺せるんじゃないか」と言ってしまうようになるんですから。極限状態とはいえ、つい先日まで仲良くやっていた仲間に、そう言われてしまうショック、そう言ってしまう自分への嫌悪などは、エグイものがあります。
疑心暗鬼は加速して、それでも皆、保身にまわり、なかなか議論が進まない中、魔物有利な状況から抜け出す唯一の策を生み出した藍は……冷静で冷酷だ。いや、これを冷酷と思うのは、偽善かな。生き残るためにした当たり前のことだから。
生きたい、死にたくないと言いながら、手を汚すことは避ける人たちは、醜くもあり、とても人間らしく思いましたが、合理的な解を求めても、昼のターンになると死者が待ち受けるあたりの絶望には、心痛むばかり。
魔物は誰か。追い求めながらようやく見えてきて、でも周囲がそれを信じてくれないという展開にドキドキさせられ、一体生き残ったのは……ということが見えるエピローグに、もうひとつ驚きが待ち受けているから、やられた感ありまくりです。
思わず、ふーっと息を吐いてしまいました。
ちなみに、僕がこのお話で一番エグイと思ったのは、恋人たちを入れたことだと思います。
殺戮ゲームの館〈下〉 (メディアワークス文庫)
土橋 真二郎
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