「だからさ、あたしお姉ちゃんとして一度くらいはそのわがまま聞いてあげたいとか思うわけ」
そう言って、彩姉ぇの目が俺に向いた。
「あんたはどう?」
俺はへっと笑い、
「馬鹿野郎、こちとら七姉ぇのやりたい放題に付き合うのが日課だぜ。今さらそれが一つ増えたところでどうにかなるかよ」
家族全員が特殊な力を持った正義の味方である星弓家のお話の第九弾。今回は、宇宙最強と名高い二番目の姉・七美が、惑星探索の最中に拾った子・ナナに懐かれたら、少女を巡り銀河連邦との関係がこじれてきて……というお話。
いやあ、面白かった。このシリーズはほんと素晴らしいな。憎まれ口を叩き合い、時にケンカもするけれど、最後まで味方でいてくれる家族という支えの大きさを、存分に見せてくれます。温かくて格好良くて、素敵だなあ。
普段その力の強さから、兄弟姉妹の中でもワガママ放題な七美が、小さな女の子を相手に戸惑い、ちょっとずつ打ち解けていく姿はとても微笑ましくて、特に親バカっぷりを見せてくれるところには、人は変わるもんだなーとニヤニヤさせてくれて、とても楽しかったのに、そんな彼女の優しさにつけ込む人たちは……、まあスキあらばという感じだったんでしょう。宇宙最強と名高いということは、それだけ敵も多くて、足を引っ張りたがる人もいるんですから。
地球を制圧してくる宇宙人がいないのは、七美の力を恐れる人がいるからだという現実は、逆に言うなれば、七美ひとりに地球の命運が掛かっているわけで、その重圧がよりによって、少女との天秤になるとは……
世界平和と目の前の平和と。
普段余裕かましてる七美とは打って変わって、切実に悩むことになりましたが、そんな彼女を動かしてくれたのは、少女の信頼と家族の思いでした。綾美の格好良いお姉ちゃんっぷりや、斬人の格好良い弟っぷりが素晴らしくてたまらない!
まったく、素直じゃないけど、素敵な家族なんだから。
最後までホント面白かった。とても温かかったです。
あとがきをみると、そろそろ終りが近づいてるのかなと思わせる感じですが、ちょっとずつ進んでる柚島さんとの仲がどうなるのか気になります。もちろん、家族になるんですよね?
世界平和は一家団欒のあとに〈9〉宇宙蛍 (電撃文庫)
橋本 和也
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