そう。ある意味では咲華の言うとおりだ。
咲華と彼女は、そして私と兄は互いによく似ている。
兄が幼なじみの少女の幽霊に憑かれていたように、私にも咲華が憑いているのかもしれない。
咲華は、私以外の誰にも見えない、私の中のもう一人の人格なのだ ―
夏目智春の義理の妹・和葉は、行方不明の兄が通っていた高校へ入学し、何か手掛かりがないかと、兄と関係した人を探し求めたら、何やら破天荒な人たちばかりと遭遇して……おなじみの仲間たちとの楽しき過去や未来を描く物語です。
佐伯妹と暗闇でふたりっきりになったり、第二生徒会とフリマで売上競争したり、操緒と奏の心と体が入れ替わったりと、コミカルなお話満載でした。短編は過去話なんだけど、プロローグや幕間は、和葉を中心とする現在の話が語られたりして、これまたニヤリとさせられます。まさかあの人が……になってるとはなあ、とかね。
どの話も面白かったけど、素直じゃない佐伯妹が大好きなので、佐伯妹が飼ってる猫を探す「子猫をめぐる冒険」は、とても楽しかった。オチというか自らの罠にハマってしまうあたりが、とても可愛らしいですが……智春、キミはいくらなんでも鈍すぎだと思うよ、うん。
一番面白かったのは、操緒と奏の心が入れ替わる「In My Friends」です。周囲には気付かれないように、と言いながら、操緒が黙ってられるわけがなくて、あれこれ細々としたトラブルに巻き込まれたり、スタイル抜群の奏の身体を……というお色気モードを見せようとしてたけど、操緒の明るさがあると、そう見えないから不思議なものだ。
みんな振り回されたりするけれど、ただ楽しんでるだけじゃなくて、奏のことを友達としての想っている姿をみせてくたりするから憎めないんだよなあ。
操緒の大活躍っぷりに拍手しつつ、自業自得なオチにやれやれと思いました。
和葉についても、意外なところで智春との繋がりが見えて、ああ、そういうことかと納得。こういう人と人との繋がりが見えるお話って大好きなので、とても楽しめました。
とはいえ、消化不良なところがないわけでもないんですが、ま、ひとつの結末として良かったかな。個人的には、もう一冊ぐらい出してくれると嬉しいんだけど。
アスラクライン〈14〉The Lost Files (電撃文庫)
三雲 岳斗
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- アスラクライン† The Lost Files from お亀納豆のライトノベルまっしぐら 2010-02-10 (水) 15:27
- 著:三雲 岳斗 イラスト:和狸 ナオ 「その日まで、さよなら。和葉の大好きなお兄ちゃん━━」 約3日の積み。3ヶ月振りの新刊。表紙は操緒と奏っちゃん。新装...








