「たしかによぉ、メイドさんは主人に従うもんだ、尽くすもんだ。でもなあ、メイドさんは決して主人の奴隷じゃねえ!ましてや道具なんかじゃ絶対にねえ!ともに歩み、ともに尊重し、ともに萌え萌えし合う、大事な『パートナー』なんだよッ!それがわからねえてめぇは、人の上に立つ主なんかじゃねえ」
メイド大好きなオタク高校生・五秋陣の前に、メイド姿の金髪美少女が現れた。十年前の約束という彼女の言葉はよく分からないが、うまくすれば……と同居することにしたが、腰に日本刀を提げたメイドさまは、ご主人の世話をするのではなく、世話をさせる傲岸不遜っぷりで……というお話。
立場は逆転しているとはいえ、主従の誓いをしたメイドがいるなら……と、エロいことをしようと、あれこれ策を凝らしては失敗してとか、メイドさんがどれほど素晴らしいかとご主人が語り妄想をするところとか、ほんとつまらないんですけど、実はメイドさまはとある国の王女様で、彼女を連れ戻そうと、命努力(メイド力)を持つ精鋭のメイドが現れてのバトルが始まると面白くなるんです。
なんだこの熱い戦いは。それでいておバカな勝利条件は。
メイドが力を発揮するためには、メイド服を着ていなければならない。ならば……負けたらどうなるかわかりますよね。刀で攻撃してるのに、全裸になるってどうよ! 技名とかも、ほんとおふざけなんだけど、メイドさまとご主人の関係が、親密になっていく様がきちんと描かれるから、戦いに挑む姿に力が入るんですよね。
と思いつつも、ご主人いらねと思ったけど。
正直メイド同士の戦いは熱いのに、ご主人同士の戦いはバカにしか思えなくて……
唯一、ご主人が良かったと思ったのは、親友・メタボと共に立ち上がるところですね……ってこれはむしろメタボが格好良かったのかもしれない。
中盤の盛り上がりはよかったけど、終盤突き抜けすぎて、個人的にはちょっとアレだった。このノリについていける人は、面白いんじゃないかと思います。
第16回電撃小説大賞銀賞受賞作。
ご主人さん&メイドさま―父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります (電撃文庫)
榎木津 無代
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