「あなたは、間違っている」
枯葉は―告げた。
「愛するというのは覚悟を決めることではない。相手の覚悟を支えることだ。そして……相手のすべてを受け入れることでもない。自分のすべてを相手に受け入れてもらうべく、常に研鑽し続けることだ」
性悪メガネと渾名される高校生・霧沢景介が、人あらざる『鈴鹿』一族の内部分裂により、隠れ里から逃れてきた姫・枯葉と出会い、彼女の婿候補に挙げられて一族の争いに巻き込まれていくシリーズの第六弾。明らかになった真実を前に、反抗か死か、二者択一の戦いが幕を開けるシリーズ最終巻です。
あれから半月。
思ったとおり、景介がいっぱいいっぱいになってて、見ているのが辛かった。罰を望み、でも与えられずという逃げの思考が続いていたけれど、そんな彼を立ち上がらせたのが棗であり、灰原吉乃だというところが良かった。
メールから伝わる弱さと強さと、人を思う気持ちにグッとさせられて、こんなものを魅せられたら、立ち上がらないわけにはいかないですよね。
今回なにより良かったのは、枯葉の思いでした。もはや当主ではなく、それでも側にいる人の責任を負う姿は、当主そのものじゃないですか。愛すること、支えること。彼女の言葉が胸に響いて、共にある人たちが羨ましく思うばかりでした。
ただ、鈴鹿本家との戦力差は歴然で、しかも策という点では、鈴鹿らしからぬものを手がけてくるおかげで、要所要所で不利になるんですが、切り抜けられたのは、まさしく信頼がなせる技だと、そう思いました。
人あらざるものの戦いである以上、そこここで悲しい結末が待ち受けていましたが、それでも、決して寂しい死ではなく、どこか人の思いを感じるものがあって……きっと、鈴鹿が人と交わるために、この思いが必要だったんだなと、そう思いました。
最後にふたりの子供の姿が見られて、とても嬉しかった。親バカになるのもわかるぐらい可愛い。みんな、幸せにね。
アカイロ/ロマンス〈6〉舞いて散れ、宵の枯葉 (電撃文庫)
藤原 祐
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