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[上遠野浩平] ブギーポップ・ダークリー 化け猫とめまいのスキャット

「て、敵って―でも、でもあれは」
「そうだね、あれは君の、とても身近なところにいたね」
「し、信じられないわ。そんな―そんな……敵だったなんて」
「君の敵ではない。だが君が、この世界の一部である以上、あれと君は敵にならざるを得ない……なぜなら、スキャッターブレインは<世界の敵>なのだから」

平凡な中学の学園祭の影に、何やら奇妙な猫がさ迷う町。そこへ統和機構から派遣された最強のフォルテッシモが、<世界の敵>スキャッターブレインを追い求めてきて……というお話。

本編だからといって、特に何が進むわけでもないですが、やっぱり面白い。

化け猫ぶぎと、ブギーポップの噂を追う中学生たち、そして謎の敵を追うフォルテッシモという三つのお話が繋がっていく展開が、とてもいい。特にスキャッターブレインの力のおかげで、何とも足元が不安定な描写が続いていくうちに、こちらまで誤魔化されてしまい、騙されてたことに気づいたときには、ああ!となった。やられたぜ。

それにしても、要所で登場して、ぶぎいと鳴く猫がとてもいい味出してましたが、それ以上に素敵だったのが、フォルテッシモです。最強と名高く、その名に恥じない無敵っぷりを見せてくれてましたけど、そんな彼が周囲にいる人間に対して、ちょっとした気遣いを見せるようになってくれて、しかもそれを認めないんだから、まったくやってくれる。このツンデレさんめ!

正体不明の敵の能力を少しずつ解明していき、それでもなお……なんだから、さすがは世界の敵と言うべきか。

スキャッターブレインの力が発動してからのところは、どこかもやもやするものがあったけれど、個人的には、中学生たちの関係が壊れて良くところがとても胸に痛かったんだけど、でも幼なじみのふたりだけは……というところに、少しの温かさを感じました。

それにしても、やっぱりブギーポップは格好いいなあ。登場しただけで、僕の心をかっさらう。

化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫) - 上遠野 浩平

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