「多少は警戒した方がいいかもしれないな。もしかしたらお前の持つ『アンティーク』も狙われるかもしれない」
「え?」
「お前が向こうに気づいているように、向こうもお前に気づいている可能性はある」
特殊な力を宿した道具「アンティーク」を巡るお話の第六弾。今回は、アンティークを集めていると思わしき二人組が、刻也と咲の前に現れて……というお話です。
これまでは、連作短編という感じがあったシリーズでしたが、今回は長編といってもいい感じでしたね。「入替人形」の悲劇から始まり、刻也もしくは咲が、彼らのほしがるアンティークを持っているのではないかと、じわじわ追い詰めていくあたりは、とても緊張感ありました。やはりどんな力を持っているのかがわからないって怖いですね。
アンティークを追う駿と飛鳥の目的は何かってところから語られる物語は、何ともやるせないものがあったなあ。目指すところは変わらないだろうに、手段が異なるだけで、こうも悲劇を呼ぶことになるのか。まあ、実際のところ、アンティークを手にしている以上、どちらにも責められるところはあると思うけど、それを自覚しているか否かは大きな違いになると思いました。
それにしても、咲がまさか……。
これまで語られていなかった刻也と咲の出会い話は、甘いお話ではなかったけれど、咲の視線が刻也に向く理由の一端が見えただけに、彼女の背負うものの重さがやりきれなかった。刻也にしても水くさいものを感じただろうけど、それだけ咲にとって大きなことだったんだと思います。
お互い相手を大事に思っているからこそ、言えないこともあると思いますが、きっと刻也なら咲の壁を取り払えると信じてます。次なる最終巻がとても楽しみ。
付喪堂骨董店 6―“不思議”取り扱います (電撃文庫 お 9-9)
御堂 彰彦
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