そしてこれが。
いずれ姫乃宮において『お嬢様の中のお嬢様』『黄昏色の姫君』『姫乃宮の最終兵器』などと呼ばれることになる小春原日和の、お嬢様への道の最初の第一歩だったんだよ。
超貧乏アパート「桜乃日和荘」に住み、地味で影の薄い中学生の小春原日和が、超お嬢様学校に進学したいと言い出した。無謀ともいえる望みを、貧乏アパートの管理人である高校生・晴崎祐介と、一芸にだけしか秀でてないダメ人間の住居人たちが特訓して叶えていく、というお話です。
これは面白かった。
非常にベタベタなお話なんだけど、ふんわりとした優しさと芯のしっかりとした努力する姿がとてもいいんですよね。引っ込み思案で消極的な日和が、ちょっとずつちょっとずつ可愛くなって、ちょっとずつちょっとずつ前を向くようになっていく。そんな成長物語がとても良かった。
そもそも、日和がなぜお嬢様学校を目指したのかということについては秘密なんだけど、「お兄ちゃん」と呼ぶ祐介への視線を見れば伝わって、とても可愛い。もちろん、祐介が気づかないのはお約束です。
この二人のやり取りもいいけれど、桜乃日和荘に住むダメ人間たちの支えもいいものがありました。日和に対してだけはみんな真面目でしたからね。これも人となりというべきでしょうか。
試験に挑むところや出会いについては、多分にお約束なところがありましたが、のんびりな雰囲気を見せつつも、温かくて良かったです。
今回で目標をクリアしましたが、彼女が「お嬢様の中のお嬢様」と呼ばれるようになるまでの道のりはまだまだ先のようなので、ぜひとも続きでその過程を見せてほしいですね。
小春原日和の育成日記 (電撃文庫 い 8-18)
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