「傷とは、つまり欠落です。大切なものが欠け落ちてしまった心の穴です」
スカイ・レイカーがぽつりと答えた。
「空疎な穴を抱えて、怒るか、恨むか、絶望するか。あるいは再び高みに手を伸ばすか。その選択が、アバターの有様を決める」
「手を……伸ばす?」
「そう。つまり<希望>です。心の傷とは、望みの裏返しでもあるのです」
<加速世界>と呼ばれるバーチャルな世界で、生徒会の副会長である美少女<黒雪姫>といじめられっ子のハルユキがレギオンを作って……というシリーズの第三弾。今回は、新入生に謎のブレイン・バースト使いが現れて、ハルユキから大切なものを奪っていって……というお話です。
だああ、ここで終わるか!すっごいいいところで終わるので、もどかしいばかり。
幼なじみであるチユにブレイン・バーストをインストールしたら、意外な能力が発揮されたので、これはどうなることかとワクワクしてたら、まさか黒雪姫先輩が修学旅行で不在の間に、追い詰められてしまうとは……。
ゲーム内の戦いをリアルに持ち込まれるとどうなるかという怖さを知った気がする。
ブレイン・バーストを使っているのに、マッチングリストには現れない謎についてはよくわかりませんが、時折口にする言葉から、この敵の背後には、きな臭い組織を感じますね。
弱みだけでなく、シルバー・クロウの最大の武器すら奪われて、自信を無くしたハルユキをひっぱりあげたのが、まさかあのアッシュローラになるとは予想外でした。間違いなく今回のNo.1ヒーローですよ。
悪ぶってる人はいても、なんだかんだここに集うものは、ある種の憧れを抱いてやってきているから、敵であり、同じ目的を目指すものである、複雑な関係なんですよね。このあたりほんと良かった。
失った自信を取り戻すために修行を続け、加速世界の新たな事象を知り、少しだけ自信と強さを取り戻して、再び敵である後輩へと立ち向かったときに、まさかこんな展開が待ち受けていたとはなあ……。
ハルユキもタクムも、自分たちのことしか考えていなかったからこその隙だと思うけど、これは辛いと思いました。
こうなると頼りになるのは先輩か。早いところ戻ってきてと切に願いたくなりますが、それ以上に願いたくなることがあります。早く続きを!
アクセル・ワールド 3 (電撃文庫 か 16-5)
川原 礫
アスキー・メディアワークス(文庫)
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