毬井ゆかりは、ニンゲンがロボットに見える。
それは、どうしても変えることの出来ない彼女の絶対条件。そしてあたしは、それでも彼女の友だち。
ちょっと天然だけど可愛く、クラスのマスコット的な存在である毬井ゆかりは、実は、自分以外の人間がロボットに見えるという秘密があり……ゆかりを巡った不思議な出来事に、友人である波濤マナブが挑んでいくお話です。
これはぶっ飛んだ。
はじめは淡々とゆかりについて描かれていって、その可愛さや、プラモデルを作るという特技、好きな人の話などを、ゆかり共に過ごす日常を通じて描いていくんですが、そんな微笑ましいやりとりが、「ロボットに見える」ことの意味が見えてきてから、一気に変わっていくんです。
殺人鬼が出てきたことがきっかけでしたが、ああ、それで彼女を好きだけど近づけないという友人が出てきたのかと思った次第。
それでも、この時点ではまだ普通の話といっても良かったですが、第二部となるマナブからのお話になってからは、やばかったですねぇ。ゆかりの行く末を知った学が受け取った一本の電話から、多くの可能性を追っていく話になるとは思いもしなかったですよ。
ただひとつの目的のために、一直線に突き進む姿は、どこか背筋を寒くさせるものがあって……、きっかけ話そのものがネタバレのため、多くを語ることができない物語なんですが(すでにぎりぎりを越えているかも)、転がり落ちていくようなお話に、引き込まれました。
いやあ、すごかった。
ぐるりと回って、戻ってこれたことにホッとしました。よかった。
紫色のクオリア (電撃文庫)
うえお 久光
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