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[五十嵐雄策] 乃木坂春香の秘密 10

「あ、あー。そういえば結局、春香は何をお願いしたんだ?」
「あ、そ、それは……」
その質問に春香は少しの間もじもじしていた。はにかむような照れたようなかわいらしいためらい。だがやがて下からちらりとこっちを見上げて、
「え、えと……秘密です♪」

天然で、お嬢様らしからぬ秘密を抱えていた乃木坂春香を守るために、秘密を知ってしまった綾瀬裕人が、何かと世話を焼いていくうちに、だんだんと二人の距離が……という気恥ずかしくも、温かい気持ちになれるラブコメシリーズの第十弾。今回は、椎奈が動き始め、春香がだんだんと想いを自覚し始める(?)お話です。

今まで見向きもされなかった、というと語弊がありそうですが、なかなか自分を見てもらえなかった椎奈に、裕人が反応したのは意外でした。
まあ、暴君二人にいろいろ構われたってこともあるんだろうけれど、それ以上に恋する女の子の可愛さが、直撃したんだろうなあ。心が揺れたわけではなく、好意にドキっとしたんじゃないかと、そう思いたくなるのは、春香派だからでしょうか。彼女が今後どう動いてくるのか、大いに気になるところ。

一方、春香とのお話ですが、他愛もないやり取りに幸せを感じるシーンがとても良かったなあ。ただ二人でいるだけでいい、そんなカップルは見ていると心が温かくなります。

それでいて、春香の様子がいつもとちょっと違うように思えたのは、意識する思いが生まれてきたからでしょうか。夫婦ごっこだけでなく、恋占いのときの願い事や、最後に見せたちょっとした嫉妬など、変わってきたなとにんまりしてしまう。

ここに椎奈が入り込むのは、とても大変だと思いますが、好きな気持ちは抑えられないだろうから、きっと参戦してくることでしょう。そうなると、春香も自分の思いをもっと自覚してくるのでしょうか。
この先の恋愛模様がどうなるのかとても楽しみです。

乃木坂春香の秘密〈10〉 (電撃文庫) - 五十嵐 雄策

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