「今日はどんなありがたい言葉をくれるんだ?」
冗談のつもりで、第一声を発した。
だが、その返答は、あまりにもはっきりしていた。
「行けば、大切な人を失いますよ」
世間から白い目で見られるムーンチャイルド。その特殊な力を隠しながら、学校生活を行う宗太の前に、巨大な力を持ちながら目の見えない、天真爛漫な少女ひなたが現れて、というお話の第四弾。今回は、宗太とひなたの間に生まれたアルテミスコードの謎を解くために、「ずっと手を繋いで過ごす」実験をしていたら、もうひとり家族ができて……というお話。
お互い気持ちは分かっているのに、一緒にいると照れしまう初々しいやり取りがたまりません。人目のないところでは、やることやってますしね!
まったくかわいいものだとニヤニヤな共同生活に変化が訪れたのは、家族が一人増えてから。ちっちゃなお子さまのゆうひは、好奇心旺盛で甘えん坊で、思わずひなたが拗ねちゃうほど、宗太が構ってる様子に、ほのぼのしながらしてたら……か。
アルテミスコードそのものに罪はなく、その力を宿した子にも罪はないのに、不安要素というだけで、排除しようとする人がいることに、心が痛みます。たしかに大きすぎる力は怖いけど、受け止めようという心があれば、違うのでは……と思うのは、宗太の周辺にいる大人たちを見てしまっているからかな。
アルテミスコードの変異版とも言うべき、チャイルドコードの真実は衝撃と恐怖に包まれていたけれど、仲間と、頼りになる人と、好きな人がいれば、それらを支えにして前に進むことができると、そう思いました。
切り抜けることができたのは、偶然の重なりあいかもしれないけれど、ひなたの優しさと、人の温かさを知っていたからこそ、ですよね。それを伝えたいという宗太の思いに、辛くとも、胸が温かくなりました。
とはいえ、切り抜けるために無理をしたことで、別の道を選択肢に入れざるを得なくなってしまいましたが、さて、宗太は愛する人たちを守っていけるのでしょうか。楽しみですね。
Kaguya 4―月のウサギの銀の箱舟 (4) (電撃文庫 か 14-7)
鴨志田 一
アスキー・メディアワークス(文庫)
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