「これで、お前の笑顔はずっと忘れないだろうな」
麦に宿り豊作を司る賢狼の少女・ホロと商人ロレンスの旅路を描く物語の第十一弾。今回は、辺鄙な村の村長から持ちかけられた相談ごとを解決する「狼と黄金色の約束」、草原に寄り道しようかという話の中で他愛もないやりとりが始まる「狼と若草色の寄り道」、守銭奴エーブが駆け出しの頃の甘さと覚悟を描いた「黒狼の揺り籠」の三編からなる短編集です。
あー、もう、ホロとロレンスのやりとりの甘さといったら!
ホロのわがままを聞いていたらかなわんと思いながらも、駆け引きが始まれば、足元を見られて負けてしまい、一矢報いようとしても、それすら絡めとられていくやり取りに、ニヤニヤが止まりません。まったくロレンスはかわいい奴だ。
一方のホロも、ロレンスをいじりながら、拗ねてみせたり、ちょっと赤面な言葉を告げたりと、可愛さ爆発でした。ロレンスの腕に耳をこすりつけるイラストも、すげー可愛くて、まったくもってお似合いな二人です。
とまあ、ふたりはいつもどおりの感じでしたが、シリアスなお話は、エーブが担当していました。
没落貴族から商人となったものの、まだまだ甘さの抜けない彼女をみていると、幸せな生い立ちが伺えて、それだけに、商魂たくましい商人たちとのやり取りをみていくのが辛かった。
時にだまされ、時に痛い目に遭い、それでも優しさを失わなかった彼女が、商人としていきる覚悟を決めたあの出来事は……忘れられません。
このお話を読んでから、本編のエーブがでてくるお話を読んだら、また違ったものが見えてくるんだろうなあ。いずれ再読していきたいところです。
狼と香辛料 11 (11) (電撃文庫 は 8-11)
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