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[鈴木鈴] 白山さんと黒い鞄

「なんで、おれの力を借りようと思ったの?や、ほら。もっと頼りになる人がいくらでもいると思ったんだけど」
「平沢、くんが」
顔が赤くなっていく。重大な告白をするかのように、長い長い時間を逡巡に費やしてから、白山さんはようやく答えてくれた。
「わたしのことを、友達って、言ってくれたから。だから」

ミステリアスな可愛い少女・白山さんが、いつも持っている黒い鞄は、別の世界とつながっていて……。ひょんなことから白山さんの秘密を知ってしまった平沢衡が、鞄から逃げ出した「阿頼耶識」を捕らえるために、彼女に協力していくお話です。

これ好きだなあ。なんと言っても白山さんが可愛いです。秘密を持つが故にちょっと引っ込み思案だから、ちょっとしたことですぐ、あわわあわわとテンパっちゃったりするんだけど、何事にも一生懸命だから、そりゃ、衡も放っておけなくなりますよ。
人を人とも思わない阿頼耶識の脅威を知っても、手を貸すことをためらわなかった衡との間に生まれてくる恋模様が、とてもいいです。

といっても、今のところ、ふたりとも「お友達」以上の意識はしてないように見えますが、ほのかな予感をさせてくれる距離感にグッときてしまう、とてもいいラブコメですね。

鞄の持ち主の守護者である九衛は、妹みたいな感じで白山さんのべったりですが、阿頼耶識や別世界共々、ざっとした説明しかでてきてないので、このあたりは次以降に明かされていくのかな。それとも、このままいくのかしら。

というのもね、この学園には、とんでもないドSな生徒がいるんですよ。なまじ目鼻立ちが整っている美少女だから、目線があっただけで、ビクっとなってしまう遠咲先輩。学園内のあらゆる情報に精通してるが故に、敵に回すとどうなるか……ああ、十叶さんに幸アレ!

味方にすると頼もしくも油断できない彼女に目を付けられてしまったが故に、いろいろ危ない予感(主に百合的に)があったりしたけど、ま、最後の一線は護ってくれるあたりが、いい先輩……と思っていいですよね。

今後も阿頼耶識問題は起こると思いますが、遠咲先輩率いる衡、白山さん、桐ヶ谷伊織の図書館部のメンバーなら、乗り切れると思います。楽しかったので、ぜひぜひシリーズ化をお願いしたいな。

ところで、衡の「呪い」って、何のためにあったんだろう……

白山さんと黒い鞄 (電撃文庫) - 鈴木 鈴

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